今月末から来月にかけて、山梨県の増穂町で講演と間伐講習会をやることになっている。その下見にでかけた。秩父往還(雁坂峠)を通っていった。荒川再源流に巨大なダム建設現場をみてゲンナリしたが、峠を越えると群馬では見られぬ形の養蚕民家が現れ、富士山が見えてがぜん嬉しくなる。増穂町は富士山のビューポイントとして知られ、写真家たちが集まる。
月: 2006年4月
一斉清掃
ネギ分けつ
ひさびさに畑に出てネギの分けつ植え替えをやる。昨年イタルさんに貰って植えたネギは箸~鉛筆ほどの太さだったが、その成長をみながら引っこ抜いては1年間食べ続けた。そのネギはいま多いものは5つほどに株が増えている。土のちからは偉大だ。小指ほどの太さしかなく、白い部分も少ない。しかし、土からぬきたてのものをいつでも食べられる嬉しさは格別だ。
スーパー林道の怪
西上州の名山、御荷鉾山の近くにわがアトリエはある。ここは神流川沿いの国道から2キロほど山に上がったところであり、さらに上に伸びた林道をたどると、そこにスーパー林道なるものが走っている。この御荷鉾林道、関東一のロング林道などといわれ、オフローダーのツーリング姿もよく見かける。
「スーパー林道」とは
「奥地の森林資源開発を主目的とし、過疎振興をも念頭に」1965年から着工(事業主体は森林開発公団)、90年度まで全国23路線、1,080キロを完成させた特定森林開発林道事業。
御荷鉾林道もその一つである。未舗装とはいえ(現在は舗装部分も多い)幅4.6メートルという林道の出現は、当時は画期的なことであり、まさに「スーパー」な林道だった。が、その環境破壊度も計り知れない。とはいえ、われわれ山村に住む生活者にはたしかに便利な林道なのだが、結果として林業振興や過疎の歯止めには結びつかなかった。
この御荷鉾スーパー林道を行くと地元の森林組合作業員がちょぼちょぼと仕事をしている姿も見かけるが、いちばん利用しているのは御荷鉾山や雨降山を登るハイカーや山菜採り、そして前述のライダーたちかもしれない。ここにけったいな看板をみつけた。林道南面の鮎川支流の砂防堤工事の位置図である。その数の多さにも驚くが、
「森林地帯のコンクリート構造物における景観デザインの可能性を追求するため、構造物ごとに形を変えてデザインしています」
とある。
史上最悪の森林政策事業
東京都が花粉症対策として広範囲のスギ・ヒノキ人工林を皆伐し、花粉飛びの少ない品種に植え変えるという政策を打ち出した。その新聞記事(『読売新聞』06.4.4)を読んで衝撃を受けた。まさかここまでやるとは・・・。