次の本の企画が通った。というわけで午前中は電話やメールのやりとり、資料の読み込みなどで終わってしまう。朝昼兼用の食事は味噌汁に卵納豆とキムチの漬け物でさっとすませる。さて背負い子づくりの続きだが・・・・
ここまでの経過。
問題は肩ひもだった。昔からよく見かけるのは、麻縄を芯に、ボロ布ひもにして、をわらじを編むようにして作るものだが、やったことがないし、ネットを探してもなぜか実例がまったく見当たらない。
というわけで、逡巡していた。が、午後になって突然手が動き出した。ロープ類の材料は買ってある。ボロ布は下屋の入り口に使っていたインド綿の幕がちょうどある。それを裂いて、とにかく始めてみることにした。
布は紫外線でやわになっており、簡単に裂ける。70mm幅くらいにして、裂け目を内側に折り込むようにひもを作り・・・
麻縄4本をたばねたものに編み込んでいく。案外、簡単に形になっていく。一列編むことに、ひもを引きながら、編んだ部分を上に詰めて隙間ができないようにする。
継ぎ足すときは結わえると大きなコブができてしまうので、数センチ重ねるようにしてねじって折り込んでいく。
自然にきれいな亀甲模様ができていく。生地の模様がモザイクになる。なかなか感動的である。
一つできた。ここまでで3回継いだ。裂き織り布は長すぎると編みにくいのでこれくらいでちょうどいいようだ。考えながらやったので30分くらいはかかった。末端は麻縄にしばって折り込んで止め、銅線で補強しておく。上部の末端も同じように銅線を巻いた。
2つ目を編む。最初の処理。
慣れてくると20分くらいでできる。
さて、これを下の横棒にどう結わえるかだが、麻縄をケチって短く買ってきてしまったので、直接結わえることができない。そこで・・・
麻縄の末端を四つ編みにして、別の綿ロープ(9mm)を編み込むことにした。
こんな感じでくぐらせていく。綿ロープは3本だから、法則性はない。先端はセロテープでばらけないようにしておくと穴に刺しやすい。
こんな感じで、上まで編み込んだら麻縄のほうを締め上げていく。
そうして両末端を銅線で結わえる。ラジオペンチを使っていったん引いてからねじる(そうしないと切れる)。
真ん中にも一つ。
ねじりを切った末端はこのように曲げておき、ロープの中に刺してしまうと安心である。
次に背当てを作る。シュロ縄もホームセンターに行くといろいろな種類が売っているが、3mmのカタ縄を使ってみる。
ちょうど25mを使い切るように、巻き始めの位置をどのへんにするか、巻きのピッチをどの程度にするか、3回やり直した。
実際に背負ってみた。なかなかいい感じ。継いだ綿ロープは麻縄よりも柔らかいので、操作性がいい。これで正解だったようだ。背当てには藁縄や麻縄を使うという手もあるが、シュロ縄が軽く、水にも耐久性が高い。
肩紐とスギのフレーム、シュロ縄の色のバランスもいい。初めてにしては上出来だ。
最後に荷ひもを取り付ける。綿の「金剛打」という編み方の6mmを使う。これはホームセンターになかったのでネットで取り寄せた。
下の横棒にこのように結んでおく。
これで完成! 美しいね♬ 上部に黒芯のスギを使ったことで、シュロ縄の色とバランスがとれた。木と布と縄のアート&クラフトだ。ますます飾っておきたくなるね。
荷造りのロープワーク、使い方はGomyo倶楽部のブログで、次回お見せします。
※背負い子作りの図面や工程は拙著『国産材でつくるインパクトドライバー木工』(農文協2018)にまとめました。
***
※2022.2.13 もう1例、製作過程をアップしました。
素晴らしい。肩紐の作り方がしりたいところでした。
ありがたいです。
コメントありがとうございます。肩紐のつくり方、私もずいぶんネットで探してみたのですが引っ掛かりませんでした。でも、やってみると意外に簡単でしたよ。ぜひ自作してみてください。
大変参考になりました。ありがとうございます。雨が降ったら作ってみますね。