広島県東広島市豊栄町「生活の森おうちえん」にて11/22-23、12/29-30の4日間にわたって石積みワークショップをやってきた。標高400m、高原状のりんご園跡地で素敵なケヤキの森に囲まれた敷地、その建物のひとつの裏の土手が今回の施工場所。
11/18に下見に行き、崩れた石積み跡ではないので、新たに積み石や裏込め石を入手してもらい、重機である程度の土工を済ませてもらっておいた。
11/22、1日目、午前中は座学と敷地巡り。事前に重機で土工をやってくれていたこともあり、結構人が集まってくれて午後からの石積みがかなり進んだ。夜の交流会もたくさん参加、スタッフさんの美味しい手料理で盛り上がる。
11/23、2日目、昨日とメンバーのダブりがほとんどなし。なのでもう一回座学やって、三又囲炉裏の解説してからスタート。奥半分を積む。入り隅の曲がりまで14mあるので石の移動だけでも大変💦。重機のグラップルで一個一個運んで上から落としてもらう。石は流紋岩で石屋さんから貰ってきたもの。手積みでは限界の大きさなので、初めての大石の取り回しに皆苦労している。
しかし後半の追い上げでかなり進んだ。
23日にいったん帰宅し、25日に再び広島入りして山口邸で囲炉裏づくりワークショップ、26日に大元邸での見立て、27日に三原のハナ邸で「大地と暮らしをつなげる裏山整備とモノづくり」をこなして28日は図書館で本業の仕事(他者執筆の単行本のイラストを頼まれている)。
29日、3日目、建物裏は直線距離でおよそ15m。4日でここまでできればいいかな? と思っていたが、参加者の頑張りで意外に進んだので、その先の入り隅、出隅の石積みまで進行することに。根石を曲線で据えて、なんとか石をうまく噛み合わせて90度の角度を納めていく。
30日、4日目(最終日)、ここは元観光りんご園で、それをたたんだ後にリンゴの木を伐採してケヤキを植えてある。それが見事なケヤキ林になっていて、そろそろ間伐が必要な時期。中の通直な(下部で直径15㎝ほど)木を数本伐採して、それで丸太組を作ることにした。というのも奥の入り隅部が最も法面が高く、それに合わせて石を積むと見た目も重くなり、だいいち積み石が足りなくなりそうだった。
丸太組は林業の作業道作りでよく用いられる手法で、今回は石の数と全体のバランスからこれを採用した。丸太の接合部はドリルで穴を開けて鉄筋を打ち込むかワイヤーで引っ張りを入れて収めるのだが、今回はノッチを入れてロングビスで止めてみた。施主の兼平くんは大工でもあるので垂木止め用専用ビス「タルキックS」を持ってきてくれ、それを打ち込んで止めた。

同時進行で終点の階段部も仕上げて、最後は上部の埋め戻し部に落ち葉と炭でグランドカバーをかけた。
今回の石積みは基準となる丁張を用いず、入り隅と出隅も曲線でまとめた。それらの揺らぎがケヤキ材の曲がりと相まっていい味が出た。石積みから連続する石階段も作って、造形的にも優れたものができたと思う。