山梨県の増穂町のイベントで記念講演や紙芝居ライブ、間伐講習会をやることになって、その下見に行った話しは4/9のブログに書いた。今日はその講演当日である。明け方4時にアトリエを出発し、雁坂峠を越えるルートで増穂へ向かった。峠の手前のダム工事が、凄まじい光景を見せている。「付替市道塩沢工区工事」という看板をみつけたが、一つの沢の道の付け替えだけでその工事額は1億円に近い。その道の上には線香林が立ち上がったままだ。しかも「この工事看板は埼玉県産間伐材を使用しています」という語句が・・・なんとも悲しい倒錯ではないか。
月: 2006年4月
ららん
ご近所のY先生の奥様が「ららん藤岡」で野点をやっているので遊びに行った。座れないほど盛況で、先に昼食をごちそうになってしまった。ここは大きな広場の周りに環状に店舗が並んでいて、中にある「花の交流館」にカフェ・ラパイユという軽食喫茶があるのだが、ここのカレーが意外に美味しいのだ。僕らは先日東京で裏切られたカレー屋の不味さのネタで、その後またまた盛り上がってしまったのだった。
Y先生の奥様は野点を通じて茶を広く普通の人にも楽しんでもらいたいという考えをお持ちのようだった。準備からすべてお仲間たちとのボランティアでされているという。やりにくい場所ながら、横置きのタケに穴を開けてシャガという野草を生けたりと、いろいろと工夫されていてた。
シドキとキャラブキ
久々に児玉の助っ人Y氏がやってきてアトリエのスギ林に入った。まばらに広葉樹が伸びて、新緑の色を光に輝かせている。昨年からY氏もいっしょに選木し間伐した成果が見え始めている。「おお、明るくなったねぇ。気持ちイイねぇ」と声を漏らすY氏。足下にはスミレが咲いている。ケヤキやカエデが元気に育ち始めている。この広葉樹も大事に育てていこう。楽しみである。
シータテハ
菜の花にシータテハがやって来た。後ろ羽の羽裏にアルファベットのC文字に似た斑紋があることから名付けられたチョウだ。同じくL文字のエルタテハというチョウがいる。ルリタテハにもL字伸ばしたような斑紋があるが、こちらは学名にカタカナの「ノ」の字が付けられている。この学名の名付け親はかのオランダの学者シーボルトだ。ルリタテハは同じ属のチョウの中で唯一、単子葉植物のユリ科を食草とする。しかも北米欧州に多い属の中で、ルリタテハは東洋に産する。極東の日本でこのチョウに出会ったシーボルトの感動が目に見えるようである。
ジルベルトが来た場所
天ぷらの残りでお茶漬け。かるく炙った天ぷらを小さく切って醤油だしをかけ、冷や飯を蒸し器で温めたご飯を茶碗に盛りその上にのせる。ワサビ、ネギ、ゴマをさらにのせて、煎茶を回しかける。余り物だけど、ワサビは擂りたてだし、ネギは畑直行。ゴマも煎りたての擂りたてだ。鳥の声を聴きながら、焚き火の暖かさと香りを楽しみながら、庭先で食べる。こんなものが、なんて美味しいんだろう。
昨日、僕らは銀座と丸の内を後にして、六本木ヒルズを見にいった。東京の中央部は凄まじい車と人の群れ。自然のかけらもなく、人々は携帯電話にせわしく話しかけている。都市緑化の話しも、東京都が花粉症対策にスギを皆伐する話しも、この景色の前では虚無に感じてしまう。焼け石に水どころではないのだ。