今月末から来月にかけて、山梨県の増穂町で講演と間伐講習会をやることになっている。その下見にでかけた。秩父往還(雁坂峠)を通っていった。荒川再源流に巨大なダム建設現場をみてゲンナリしたが、峠を越えると群馬では見られぬ形の養蚕民家が現れ、富士山が見えてがぜん嬉しくなる。増穂町は富士山のビューポイントとして知られ、写真家たちが集まる。
講演予定の施設周辺の人工林は、これまで一度も間伐が入っていない荒廃林が多くて、やりがいのあるものだった。しかし、その敷地で小さな皆伐実験を行なった場所では、自然に生えてきた広葉樹がかなり育っている。標高がやや高いせいか常緑樹は少ないが、それでもツゲなどがみられて面白い。暖かな一日で、コツバメが舞っていた。
その夜は近くの秘湯に泊まった。珍しい鉄泉で湯は赤茶色である。料理は馬刺が旨かった。水車がある宿で、次作の紙芝居イラスト用に写真を撮ったりしげしげと観察したりした。