囲炉裏部屋に光の矢が


囲炉裏の奥の壁は、備え付けの戸棚になっていたのだが、前住人はこれに石膏ボードをかぶせて壁にしていたのだった。アトリエに来た当初、僕らはこの壁の外側に回ると戸棚らしき出っ張りがあることに気づき、ここに封印されているものがある気がして、この壁を外してしまうことにしたのだ。バールでその石膏ボードを剥がしていくと、黒く燻された戸棚が現れた。中は空だった。そして底板は抜けていて地面が見えた。

ここはおそらく神棚か仏壇が安置されていた場所に思える。囲炉裏の正面でもあり主人が座る位置の背に当たる重要な位置だ。開封してから今までは、そこはとりあえず布などをかけてごまかしていたのだが、囲炉裏ができて、いよいよ改装のときがきた。

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囲炉裏は最強の炉なのだ


「おきりこみ」は翌朝の汁がしみ込んでドロドロになった煮返しが旨い、と聞いていたが、ううむ、たしかに旨い。ほとんどクリームシチューだ。囲炉裏4日目。煙は慣れているけど、灰の飛びがこれほどとは思わなかった。マメに掃除が必要だ。しかし、囲炉裏は薪を超ローコストに使う最も優れた方法であるとの確信を持った。

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野菜の力とおきりこみ


しばらく天気が続いたので、畑に出て白インゲンと小豆の収穫。豆のサヤは全部がいちどに茶色くなるわけではなく、まだ緑色のものもある。かといって、全部茶色になるまで待つと、先に枯れたサヤのものが割れて中の豆が落ちてしまう。それで間隔をみて枯れたものから順々に収穫していくのだ。ついでにホウレンソウの間引き。カブ、ネギ、ミニトマトの収穫。

ホウレンソウはよく育っていて味もすばらしい。肥料は木質堆肥と木灰だけだ。鶏糞を施した他の畑を観察すると、株が大きいものの虫喰いがひどい。ネギもまた、化成肥料と鶏糞をやった他の畑では、黒いアブラムシに悩まされてたりしている。アトリエの畑でほとんど無肥料で育てたネギは、太さはないけれども元気で美味しい。ホウレンソウの根の張りが強くて、間引くにも簡単には引き抜けないのだ。

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いづつワイン


前に運び込んでいたクリ薪の荷上げと積み直しをする。さすがにクリ材は線路の枕木になるだけのことはある。山中で放置され年月にさらされたものだが、乾かせば十分使えそうだ。

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囲炉裏、復活


午後から突然「囲炉裏」造りにかかる。アトリエの玄関正面の部屋は土間をおいて大黒柱のある囲炉裏部屋だったものを、前住人はコンパネで塞いでいたのである。それを再び開いて補修して造りなおした。

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