15日目/輪島~富山~糸魚川~長野~十石峠~アトリエ


朝食後、宿のおやじさんが朝市まで案内してくれるというので、宿泊者のほとんどが車で後をついていく。輪島塗のお店の駐車場に案内され、まずその中にある喫茶店でコーヒーを飲む。そこは、かなりハイテンションな店だった。店内がテーブルから壁から塗れるとことはすべて漆塗り。コーヒーの器もミルクピッチャーもシュガーポットもスプーンもすべて塗り物。そのデザインや完成度もすばらしいものに思えた。

店内の売り場を眺めた。箸の蒔絵が美しい。お椀を手にとってみると、硬くシャープなのに、吸い付くような、なんとも名状しがたい暖かみが伝わってくる。そのツヤの深みの質が、いままで見た漆器とちょっとちがうのだ、国産の漆だという。行程もすべて本物。が、値段はめちゃ高い。お椀ひとつが24,000円だった。

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14日目/砺波~高岡~氷見~七尾~輪島


天気がいい。このまま帰るには惜しい。そんな気持ちを残しながら旅も最終日。すでに今日で二週間が経っている。そろそろ畑が心配だし、仕事の締め切りも迫ってきた。能登半島に向かい、輪島塗りの本物をじっくり見てから帰ろう、と思った。

その前にまず、砺波平野の湧水を飲みたいし、「散居村」風景を見たい。これを相方に見せるために砺波に宿をとったのだ。砺波平野には庄川の扇状地が広がる。ここは白山連邦の湧水が豊富で、各戸ばらばらに田の水利ができるので、家が散らばっているのである。しかし風が強い所なので屋敷林で防風する。その屋敷林と民家が散在する景観は見事なものである。日本の名水にも指定されている「瓜割清水」へ行く。かなりの湧出量だ。展望台まで登って、朝方の澄んだ空気の中で写真を撮った。
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13日目/福井~永平寺~竹人形の館~東尋坊~松之山温泉(石川)~砺波(富山)


朝、永平寺へ行った。道元がひらいた「禅」の道場であり曹洞宗の総本山だ。のっけから鉄筋コンクリートの大型ホテルのような入り口、そして階段を上がらされ驚く。このお寺は伽藍がすべて木の廊下で結ばれており(後から継ぎ足したもの)、ずっと素足で回れるようになっているのだった。建物はケヤキとヒノキをふんだんに使ったすばらしいものだ。しかし、すれちがう僧侶の目に覇気がない。禅という最も簡素な宗派が鉄筋コンクリートで豪華なお堂を継ぎ足していいのか? などと疑問もわくのでした。

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12日目/鳥取~智頭~朝来(兵庫)~元伊勢~舞鶴~小浜~福井


朝、鳥取砂丘を見にいく。意外や砂丘のすぐ近くまで住宅地が密集している。砂は褐色。時間がないので中に入って歩いたりはせずコペンと写真を撮って先を急ぐ。

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11日目/津山~米子~出雲~松江~鳥取


S君から昨年の台風被害のことは聞いていた。アパートを早朝に出て、米子まで被害を観察しながら下道を行く。久世、勝山、美甘町あたりに倒壊被害が目立った。この辺りは「美作ヒノキ」のブランドで有名な林業地だが、その施業法は従来の密植・弱度間伐であり、全体に広範囲の線香林がみられる。

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