11日目/津山~米子~出雲~松江~鳥取


S君から昨年の台風被害のことは聞いていた。アパートを早朝に出て、米子まで被害を観察しながら下道を行く。久世、勝山、美甘町あたりに倒壊被害が目立った。この辺りは「美作ヒノキ」のブランドで有名な林業地だが、その施業法は従来の密植・弱度間伐であり、全体に広範囲の線香林がみられる。

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峠を越えて日本海側に抜けるとさすがに被害は少ない。密集しすぎた人工林も目立つが、降雪によって自然の間引き(間伐)が行なわれるのか樹高・樹勢に優劣がみられる。宍道湖を初めて見る。今日の最大の目的は出雲大社。

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出雲は日本神話において大きなポイントである。僕はこれまで「古事記」や「日本書紀」そして天皇の起源や古代日本の成り立ちには大いなる興味を持ち、様々な書物を渉猟してきた。自国の成り立ちが解らなければ自然だって理解できるはずがない。いま旅先で高天原飛騨起源説とも言うべき山本建造氏の本を読んでいるんだけど、この問題にようやく解答を得た思いだ。

記紀神話において、高天原や天照大神の話は、雲の上の伝説である。しかし天皇家はそこから連綿と繋がっていると書かれている。おとぎ話と現実が入り交じって、その国の成り立ちがはっきり認識できない。元・日本人(縄文人)が、大陸からの渡来人(弥生人)によって変わられ、稲作や文化の基礎ができたとする。この座り心地の悪い不安感。なにかおかしいと思い続けてきた。真実は別にあるのではないか? と感じていたのだ。

そんな目で出雲を観察すると、また新しいものが見えてくる。宝物館で蒔絵・螺鈿細工のすばらしい重箱を見た。裏山から日本海に抜け、宍道湖沿いに松江まで走る。そこから大山の麓まで登ったが雨で暗くなる。

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日本海回りで鳥取のビジネスホテルへ。夜は街に出て居酒屋へ。焼き鳥を食べる。ん、楽しいな居酒屋。山暮らしのネックは外飲みができないこと。だからこんな期会にうんと楽しむ。西だよなー、味噌味の串があるのが面白い。


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