泊まらせていただいたのは町内にある古いお屋敷で、中庭が2カ所あり、朝食の後その庭の草刈りや剪定を皆でおこなった。東京から年に数回このご実家の建物に戻り、宿泊しながら家の保全・庭の手入れを行っているということだった。
内装の多くは昭和の新建材改装がされているけれど、一部残された部屋は造作がすばらしく、当時の町の隆盛を物語るに十分だった。しかし、さすがに庭はこの季節にはボウボウになる。剪定枝がどっさり出た。
町にはこの手の古民家がまだ息づいており、保全するにはぎりぎりのところに来ているように思われる。行政側は積極的でないが、いま保全側に回らなければ、やがてミンチ粉砕され駐車場・新建材住宅になるのは目に見えている。そうなればもはや、町の伝統や記憶は消えてしまうだろう。
庭仕事で一汗かいた後、再生に意のある建築家が手がけたという物件を見に行った。この建物は一部が建築家の住まいに、一部がカフェになっている。