杵(きね)を作る


薪がいよいよ入り用になってきたので久しぶりにチェーンソーを取り出して雑木の玉切りする。かなり乾いた虫食い入りの木なので粉が吹いて使用後のメンテナンスが大変だった。

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ついでにヒノキ丸太の割れが小さいものを選んで玉切る。これで餅つき用の杵(きね)を作る。

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丸太のまま乾燥させるとどうしても外側から割れが入るが、中にはその割れが小さいものがある。それを選んで木取りし、クサビで周囲を割っていく。

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この程度の割れなら杵にしても問題ない。

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作業場に持ち込んでヨキでハツりを入れていく。

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杵の持ち手は唐グワの外れたやつがあったのでそれを再利用することに。

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曲面とテーパーを出しながら鉋を入れていく。

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ここで正確に直角のツラを決め、寸を詰める。A4のコピー用紙を2枚つなげてぐるっと巻くとその先端はほぼ直角になるので鉛筆でトレース。

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それを手ノコで切ってさらに鉋をかけて微調整する。杵のテーパーは槌(つち)のように左右(上下)対称形ではなく搗く方をやや細く、という感じだね。すでにものすごいハツりと鉋クズですw。ヒノキの香りにくらくらしそう。

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小刀で面取りする。

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持ち手を差し込む位置を決めて鉛筆でトレース。

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ノミを入れる前にドリルで穴を開ける。

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こんな感じに。向こう側には直角に、正確に突き抜けねばならない。

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裏側はこんな感じになる。誤差を見越して突抜穴が中央に集まるように気持ち内側に抜くのだ。

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ノミで四角く抜いていく。これはなかなか難しい。固定するための万力か治具が欲しいところだが、足で押さえながらじわじわ掘ってしまう。

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持ち手の棒の楕円のほうから入れて、先端でギチっと納まるようにしたい。

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だからお互いのテーパーを微妙に調整しながら徐々に削っていく(叩き込んで外してみるとキツいところは跡がついて解る)。

それから縦軸はキツくてもいいが、横軸をキツくするとナタ割りの原理で杵棒がまっぷたつに割れる可能性があるので、横軸はキツ過ぎないほうがいい。

仮はめ込みを抜くときに側面を引っ張って割れを誘うので(やってしまった)、穴の回りはわずかでも面取りしておいたほうがいいようだ。

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こんなもんかな。持ち手の頭を切って面取り。

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完成! 割りとハツりのテクをおぼえると仕事が早いですよ。ヒノキの木肌とテーパーが美しいね♫

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臼は作ったことがあるけど(こちら)群馬の友人にあげてきてしまった。こちらではさすがにケヤキは入手できない。が、石臼が貰えそうなので年末の餅つきが楽しみ!

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ハツりクズは早速その晩の囲炉裏薪になったw。

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追記:拙著『国産材でつくる インパクトドライバー木工』に詳しい制作手順と図面が載っています。

 


「杵(きね)を作る」への2件のフィードバック

  1. 周囲の方々の笑顔が見たいので、個人的に餅つきを行おうかなと思っております
    臼は手作りで、中が浅いのを知人の田舎から送って頂きました。深さ20cm位しかないので後、20cmぐらいをいかに削るか?。杵はないので、バタ角を削ってみようかと、参考になる情報を求めてここにコメントを記載しました。

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