灰がつなぐもの


草取りの変遷


春から始めた畑仕事、石垣に囲まれた山村の、石ころだらけの傾斜地という特殊な場所ではあるが、畑の草取りをしながらいろいろ思ったこと。基本的に僕らは無農薬・無肥料・草との共存、という徹底した自然農をイキナリ目指している。が、周囲の方々との関係もあり、あるていど妥協しつつ、様子をうかがいつつやってきた。まあ、初めての畑仕事ということもあり、なにが本当に正しいのか? さっぱり解らないまま、自分たちの汗と感覚から生れ出るものを信じて進むしかないのである。

さて夏になり、草との戦いを経て、この「草取り」なるものが時代によって大きく変遷していることに気づかされた。いま、過疎に悩み人手のない山村では、エンジン機器を使ってさえ草刈りが間に合わない。かつて、若い男手がたくさんあったときは、もちろん大カマで手刈りしていたのであるが、今や除草剤を使わざるを得ない場所も出てきたのである。除草剤 は今どきホームセンターでも売っているけれども、草を枯らすだけの毒があるなら、動物にも害をおよぼすには違いなく、実際にこの集落でもホタルがまったく見れなくなった、というのはこの除草剤の使用も影響しているだろう。
“灰がつなぐもの” の続きを読む


コペンの旅、野反湖


コペンに乗って野反湖までドライブにいった。中学校のときルアーをやっていて、そのとき釣り雑誌で読んだこの湖は、僕の中でずっと心に残っていた聖地だった。山岳渓流も好きだが、こういう孤高の小さな湖もまた、僕はけっこう好きなのである。行ってみたらやっぱりすばらしい。で、今日は2回目。行きは高速で軽井沢経由(ここでかなり渋滞)、帰りは国道の下道でいくつか峠越えで。

middle_1124270936

“コペンの旅、野反湖” の続きを読む


読書、バルサミコ


連日、敷地と畑の草刈り。ミョウガの初収穫。今期は十分に草刈りの手入れをしていたので、ミョウガがすこぶる元気である。これから秋まで、売るほど穫れてしまうだろう。カボチャのつるを誤伐してしまう。こぶし大に結実していたのに残念。ところがこの未熟のカボチャをかじってみると甘くてなかなか旨い。ズッキーニに似た味なのだった。石垣のきわに植えミニトマトが順調に実をつけ、毎日数個づつ完熟の実を食べている。

middle_1124136813

“読書、バルサミコ” の続きを読む


バスをみる


敷地の草取りと畑仕事に没頭する。ネギは3カ所に植えているのだが、上の敷地のものを分けつして植え変えた。草も抜いて地ならししてから始めたわけだけど、土がふかふかになっていて驚いた。しかし、草の成長はスゴイなぁ。まともに草取りにつきあっているときりがない。しかし放置するわけにもいかない場所がある。水路、道、石垣、庭先など。カラムシなどは人の背丈以上に伸びてしまうし、カラスウリ、カナムグラ、などのツル植物はちょっと目を離したすきに灌木を覆ってしまう。山の植物の夏の成長にはまったく圧倒される。

都会人にはこの感覚が解らないだろう。僕も都会に住んでいた頃は解らなかった。アウトドア遊びを頻繁にやっていたのに、である。だから「植林」が簡単に美談になってしまうのだ。日本の山においては、木は勝手に生えてくるものなのだ。もし植林した場合、日本では「下刈り」という大変な手間が、何年も必要なことを多くの人は知らない。夏の山村農家は草との戦いに明け暮れる。過疎で年寄りばかりになって人手がなければ、除草剤を使うこともある。もちろんアトリエでは使わない。編み笠、軍手、そして手ガマでいく。
“バスをみる” の続きを読む


和紙の傘


藤岡の道の駅「ららん藤岡」でY先生の奥様がお茶たてのイベントをやっているので遊びにいった。奥様は裏千家の茶道に精通しており、道具も多数所有されている。赤い和紙の傘が美しい。たまには正装をと、ジャケットを着込んで行く。ところで、僕らが予告なしで3日もアトリエを空けたことを、先生たちはえらく心配していたらしい。恐縮してしまった。レストランで昼食をごちそうになる。

middle_1123857292

“和紙の傘” の続きを読む