囲炉裏と灰と山林と


一日囲炉裏を燃やしながら、あれこれ実験したりする。僕も寄稿している『現代農業』最新号の灰特集がなかなか面白い。囲炉裏を使うと毎日灰まみれになるが、この灰というやつなかなかのスグレモノで、健康にも役立つらしい。灰というのは有機物が燃えてミネラル成分が残ったものだ。また、煙の中にも気化しやすいミネラルが含まれているという。灰を使った「あくまき」という郷土料理を鹿児島で食べたことがあるが、これは灰の成分を利用した健康食だという。灰を入れた入浴剤は疲れ知らずの身体を作るという。ということは、囲炉裏の灰まみれ生活は、なんと健康法にもなるではないか!

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間引き菜の味


早朝から「ちびカマ」を焚きながら原稿書き。今月は連載の他にもう一本「灰」に関する原稿を頼まれている。昼から畑に出て草取りと間引き。ほうれん草とカブがよく育っている。間引き菜がまたとても美味しい。ほうれん草はそのまま食べてもアクがなく、直径1cmくらいに育ったカブをかじって食べるとこれが甘くて、後に爽やかな辛みがやってくる。というわけで久々に丹念な草取りと間引きをした。ちょうどこの大きさくらいのときの手間が大事なのだ。その後、灰をまいた。

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灰がつなぐもの


草取りの変遷


春から始めた畑仕事、石垣に囲まれた山村の、石ころだらけの傾斜地という特殊な場所ではあるが、畑の草取りをしながらいろいろ思ったこと。基本的に僕らは無農薬・無肥料・草との共存、という徹底した自然農をイキナリ目指している。が、周囲の方々との関係もあり、あるていど妥協しつつ、様子をうかがいつつやってきた。まあ、初めての畑仕事ということもあり、なにが本当に正しいのか? さっぱり解らないまま、自分たちの汗と感覚から生れ出るものを信じて進むしかないのである。

さて夏になり、草との戦いを経て、この「草取り」なるものが時代によって大きく変遷していることに気づかされた。いま、過疎に悩み人手のない山村では、エンジン機器を使ってさえ草刈りが間に合わない。かつて、若い男手がたくさんあったときは、もちろん大カマで手刈りしていたのであるが、今や除草剤を使わざるを得ない場所も出てきたのである。除草剤 は今どきホームセンターでも売っているけれども、草を枯らすだけの毒があるなら、動物にも害をおよぼすには違いなく、実際にこの集落でもホタルがまったく見れなくなった、というのはこの除草剤の使用も影響しているだろう。
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上州オトコのどんぶり


朝、依頼原稿の文字数がまちがっていたことに気付き、訂正してメールを送る。内容は”森の変遷とカブトムシとの関係”といったもの。「S匠の論文として後世に残るようなものが書けるといいですね」と相方。

前夜炊いたタケノコご飯を蒸し器で温めなおして朝食兼昼食。オカズはタケノコとフキと干し椎茸と昆布の煮物。ウドのきんぴら、ワサビの茎の三杯酢、タクアンに金ゴマをかけたもの、など。豪華だネ(みな冷蔵庫のストックですが)。でも陰性過多かな。春の食べ物は廃毒性があるんだよね。冬の間にたまっていたものばかりでなく、過去に肉体に溜めていたものが吹き出す感じ。相方は目の周りに、僕は首と背中に吹き出物のような症状が出ている。

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