ラタトウユ


まずは『よい食事のヒント』丸元淑生著(新潮選書2003)から。

世界で最も多くの人が作っている料理は? ラタトウユである。南フランスのニースの郷土料理であるラタトウイユが、なぜアフリカから南米まで何億もの人の作る料理になったのだろうか? まずおいしいからで、野菜の栄養がたっぷり摂れて、作り方が簡単だから、と私は思う。

トマト、ズッキーニ、ナス、ピーマンなど夏野菜が主体のこの料理は、暑い季節に作ると特においしく、外食が重なった時など、野菜不足の解消にこの上ない一品となる。ラタトウユの伝統的なレシピは、野菜の組み合わせによって味をまとめるものなのでレシピ通りに、本格的に作っていただきたい。ポイントは水を加えずに野菜を煮る点にある。

はいはい、作ってみました。僕は過去に何度も作っているのだけど、相方のYKはラタトウユはアトリエに来て初めて。けっこう衝撃だったらしい。野菜を煮ただけでこんな味がでる簡単料理だってことが。でもオリーブ油とニンニクが入っているのがミソ。そしてトマトがたっぷり入るのもポイント。ニースで本物を食べてみたいものだ。

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ジャガイモの味


東京・横浜出張から戻ったその朝、早々イタルさんの来訪に起こされる。タマネギをいただいた。

「モロヘイヤの苗いっぱいあるんだけどさ、いるかい?」

「ああっ、ありがとうございます、いただきます!」

畑を始めた最初の年に同じようにイタルさんから貰ったモロヘイヤは、よくできた。さっと茹でて包丁で叩くと粘りが出て面白い青菜だった。僕らは花のあと種を収穫し、翌年まいたのだが、その種はなぜかまったく発芽しなかったのだ。今年はモロヘイヤのスープをつくってみたいと思い、イタルさんに苗のことを遠回しにお願いしておいたのだ。

新しく植える場所をつくるのに、ラッキョウの残りを抜いて整理する。市販品とまでは行かないが、けっこう粒の大きなものができていた。ついでにジャガイモも試しの初収穫。こちらもやや小振りだけどよくできている。今年は花が咲かないうちに茎が枯れ始めるものがでている。

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