麦と蛍


スクリュー釘の「千歯こき」をもう一つくり、朝から2人で脱穀。

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麦の穂ちかくの茎が、茹でる前のスパゲティのようにしなやかで美しい。そして刈りたての麦の匂いがいい。なぜか海を連想するのは、子供の頃の父方の実家(かつては大農家であった)に遊びにいっていた頃の記憶なのかもしれない。そこは海に近く、僕の中では、海水浴と稲や麦の匂いとが、分ちがたく結びついているのだ。

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このまま引くのではなく、手で穂を押さえたり、斜めにずらしたりしてやるとよく粒が取れる。しかし、未成熟の穂はうまく取れず、付け根から穂ごと抜けてしまったりする。

それにしても、主食の穀類を収穫するということは、なんとも感動的だ。深い充足と安らぎを感じるのである。

夕刻、一昨日発見した橋の上のポイントに蛍を見にいく。

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これからの年は麦刈りの季節に蛍を思い出し、ここに来るのが恒例となることだろう。

昔はアトリエ周辺にも蛍がいたそうである。いずれその環境を取り戻したいものだ。


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