ららん藤岡での展覧会の会期中、北アルプス旅行記のドローイングに「花の部分だけ色塗りする」という公開制作をやっている。しかし、懐かしい作品だよなー。僕の30代は「この作品に全てを注ぎ込んだ」時代といってよい。
月: 2006年9月
ららん展覧会「山の暮らしと花」開始
ららん藤岡での展覧会が始まる。僕らの10回目の個展にあたる今回のタイトルは「山の暮らしと花」。
さて展示は1階を三つのスペースに分け、中央に山田和子さんの写真を置き、両サイドに神流アトリエの作品を置く。その入り口側には昨年から『現代農業』誌上で連載した「山暮らし再生プロジェクト」をパネル化したものとその原画、新作紙芝居の原画などが、もう一方の奥側には、花のスケッチが展示され、YKのペーパークラフトは両方のスペースに点在する。
イベントと設置(トラブル発生!)
県庁のイベントでSHIZUKUが出店とライブをする日。そして明日から始まる「ららん藤岡」での個展にあわせて夕刻はその足で作品の搬入と設置に向かう、というハードスケジュールだ。ところが鬼石町に下りたところで軽トラにエンジントラブルがおき、全く動かなくなる。
県庁の担当者に電話。Y先生のご親戚のMさんがレッカー車と新たな軽トラを手配してくれ、会場に着いて大急ぎで準備。県庁建物前の広場に用意されたテント。そこにパネルをはって著作やCDやポストカードをテーブルにおく。なんとか10時の開催に間に合う。
隣ではチェーンソーや薪割り機のデモンストレーションをやっており、正面は芝生をはさんんで広場があって、そこで太鼓や踊りなどが披露される。
僕らSHIZUKUの出番は12:30から。「群馬の山村から全国に発信する音楽デュオ」などどアナウンス紹介される。
個展の準備で連日の徹夜続き、練習不足、演じるのは3回目という新作ゆえトチリが多く申し訳ない舞台になってしまった。
テントでは県庁の方を介して様々な林業関係者と話をしたり、『現代農業』の連載を楽しみに読んでいた、という人との出会いがあったりしてなかなか面白かった。初めての参加ということもあって、新聞の取材記者も度々SHIZUKUのテントを訪れた。
朝からのトラブルと、お客さんとの応対と、そしてライブ。4時の終了時には二人ともかなりくたびれていた。が、これからがまた大変なのだ。会場のららん藤岡「花の交流館」へ急ぐ。
1階と2階両方に展示する。秘密の「大額」が軽トラに積まれている。藤岡に移動して、一緒に飾る山田和子さんの関係者やら施設の方々が助っ人してくれて、設置は意外に早くかたちが見えてホッとする。
ミョウガの吸い口
この忙しいというのに相変わらず悠長に、削りたての鰹節で出汁をとった味噌汁に羽釜で薪で焚いたご飯を食べている。ご飯が旨いのはいつものことだが、取材旅行の最中に四国で買った漆器のお椀で飲む味噌汁がことのほか旨い。
これまでアトリエでは貰い物の中古椀を使っていた。それはケヤキの曲げ椀なのだが塗りがはげて吸う部分の木肌が出ていた。飲むときに口にザラっと当たって不快な感じがしていたものだ。それが、新品の塗り椀に変えたことで、汁の味が鮮やかに解るようになった。まあ、予想はしていたが感心したものである。
畑の惨状
『現代農業』の連載を描き上げて「宅ふぁいる便」で編集部に送り、明け方また起き出して個展の準備。もう、僕もYKもしゃかりきの混乱状態だ。こうして、個展ぎりぎりまでハードな日々が続くのである。
今日も朝から準備。以前連載した「山暮らし再生プロジェクト」を展示用にPCで再構築している。昨日はNHKテレビニュースで紹介されてしまったし、さすがに雑誌の誌面そのままカラーコピーというわけにはいかないよな。
昼食のおかずを採りに畑に行くと、またもイノシシが入り込んだ跡。大きく葉を伸ばし始めたハクサイ、ブロッコリー、それに芽を出し始めたニンニクまで、畑全体が掘りかえされている。