けんちん汁、3日目。さすがにこれで鍋は空になる。『辰巳芳子の「さ、めしあがれ。」』2章、四季のスープ/ミネストローネ項の書き出しは、
「異国の方に、日本の風土を象徴する汁ものはと問われたら「けんちん汁」を挙げたい」
で始まる。本場のミネストローネの作り方は材料を7分まで「蒸し炒め」すのだそうだ。それからブイヨンを加える。こうすることで野菜のアクが打ち消され、素材個々の香りが生きてくるという。
ミネストローネほどではないが、けんちんも順序よく野菜を蒸し炒めしてから出汁を注ぐと、本当に美味しいものができる。煮返しても不味くならない。