イトウ、朝日温泉、弁慶岬、函館(5日目、塩バターラーメン)


1979年19歳の夏、私は初めて北海道を訪れた。当時はN大工学部「釣り同好会」の一員であり、先輩の車に同乗しての3人旅であった。知床でアメマスやオショロコマを釣った。N大工学部は福島の郡山にあるので、それまでも朝日連峰や銀山湖周辺でいい釣りはしていた。しかし、北海道はなにか次元の違う、実に感動的な旅であった。

自然も良かったが、本州の旅人を実に親切にしてくれる現地のアウトドアマンのおじさんにも感動させられた。私の絵画的処女作と言えるクラフト紙シリーズのVo.1が、そのときの北海道知床忠類川のイメージであることでも、その感動のほどが伺い知れよう。

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苫小牧演習林、モエレ沼公園(4日目、ジンギスカン)


翌朝、苫小牧へ向かい、北大の苫小牧演習林森林と人間に行ってみる。昨年、この演習林の育ての親である石城謙吉氏が『森林と人間~ある都市近郊林の物語~』(岩波新書)という本を出された。私はこの本が今後の日本の森林を考える上でとても重要なものになると思い、当ブログで長々と解説した(こちら)。実際にその場所に立ってみたかった。

入り口はなかなか分かりづらい場所にあったが、なんとか探し出し、早朝に到着。

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悲しみの二風谷(3日目、アイヌ博物館にて)


朝食をごちそうになり、茶の時間になるが、Uにポストカードなどを見せつつ喋っているうちにバーボンの封が切られる(笑)。この10年間にyuiさんとともに様々な個展活動を展開してきたわけだが、Uには案内状を送らなかった。「オレには個展のハガキは来なかったぞ!」とUが言う。

「それは仕事のあるUが北海道から来られちゃ、申し訳ないと思ったからさ」と、私は言った。しかし、本当の答えは、その期間は本当の自分ではないと思っていたから、Uにはその姿を見せたくなかったのかもしれない。

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「木を採りに/佐野ラーメン紀行


明後日のイベント用に木を採りに行く。場所は桐生ダムの枝沢の道沿いに伐採跡地があり、夏にもここに薪を拾いに行った。その他大小の枝やタンコロの切れ端がごろごろ転がっているのだ。焚き付け用のスギ葉も採取。

切り捨て間伐は山火事の原因になる、などと批判していた人がいたが、間伐の収穫跡だって結局は美味しい2番玉までを収穫するだけで、後は山にどっさり捨てていくのだ。むしろ、その枝葉の溜まり方は切り捨て放置よりも山火事の危険は大きいのではないか。

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おやき村へ


昔ながらの「おやき」を本物の囲炉裏で作って食べさせてくれる「おやき村」を取材してきた。いま、公な場所で、炎を立てる本物の囲炉裏を見る機会は皆無に近い。みな、煙と灰汚れを心配して炭だけを使う傾向にあるのだ。しかし、ここ長野県小川村の「小川の庄 おやき村」は違った。

車で近づくにつれ、薪火の匂いと小麦の焦げる香ばしい匂いがそこはかとなく流れてくる。おやきを焼く建物に入ると、ほの暗い中に、炎がメラメラと立つ大きな囲炉裏が、中央にでんとある。感動的な光景だった。

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