ハーティ・スープ


旅がいまのように快適でなかった時代に宿にたどりついた旅人に生き返らせるような食べ物はスープだった・・・というような書き出しで、丸元淑生の料理本『スープ・ブック』は始まる。英語にはハーティ・スープという言葉がある。

「ハーティ(hearty)という語はスープについたときは、実質的な、たっぷりの、栄養あるという意味になりますが、スープを形容するこれ以上の適語はないように思われます」「現代人はいま豊かな食材に恵まれて快適な生活をしていますが、大多数の人の食事を栄養的に見ますと、実は過酷な旅をしている旅人の状態ということができます」(同書)

なるほど。日本人にとってスープといえばやっぱり味噌汁。本物の出汁と本物の味噌、それに様々な野菜具を入れた味噌汁は、日本のハーティ・スープだろう。でもパン食に味噌汁は、やっぱり合わない。

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救援物資到着


今日も町に降りる道は断たれたまま。ブルドーザーで土砂を掃きに、こちらに向かっているらしい。

「しかし、カップラーメンでもいいから、何か救援物資とか、来ないのかな」

などと冗談を言っていたら、本当に消防の人たちが救援物資を届けに来た。一人一袋、けっこうな重量。

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梅とダイアナ


梅干しにした梅はとても安価だったが、それは「傷梅」だからで、傷がひどいものはやはり梅干しには向かない。それは砂糖漬けにして、その梅シロップを氷水で薄めて楽しんだ。さてその出汁ガラのような梅の果肉、とはいえまだまだ香りも味もある。それを寒天で包んで梅ゼリーをYKが作ってくれた。

さて、最後にタネが残った。梅干しのタネを割って中の仁を食べるのはけっこう好きだ。梅の香りというのは実はこのタネの中の仁から出ているそうで、いわば梅のエッセンスは果肉ではなく仁にあるのだ。

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初チャパティー


今年初収穫した小麦が十分干し上がった。途中、家の中で保存中に一部ネズミに食われたり、いろいろとトラブルはあったものの、ようやく粉に挽けるようになった。さっそく石臼で。

最初、かたくしぼった濡れ布巾でごりごりと麦粒の汚れを拭く。次に、少量づつ石臼の穴に粒を入れながら、ゆっくりと2度匹挽きし、それを粉フルイにかけて皮を取り去る。これで全粒粉ができた。

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