囲炉裏と縄文土器


「群馬の森」にある県立歴史博物館へ行った。僕らはここに来て一年ちょっと。車を利用して県内をかなり動き回り、なんとなく、上州というものの輪郭がわかりかけてきた。そんなタイミングで、この常設展示を見ることができ、とても面白かった。

すぐ入り口に囲炉裏の展示があった。そして順路は先史時代からぐるりと昭和まで回るようになっているのだが、僕らは間違って逆回りをしていた。

その後、新品石臼を探してホームセンターをいろいろ見る。でも、石臼は店内では「ウチはこんな本格的なものを置いてますよ」的な、「客呼びの商品」の置き方をされているようで悲しい。

囲炉裏といい、石臼といい、僕らは懐古趣味的なものではなくて、「新たな縄文」をかたち創る実質的なイメージを考えている。WEBをさらってみると、そんな人がまったくいない。しかし、ホンモノはパソコンなんかやっていないのかもな。

群馬で出土した縄文土器がたくさん展示してあった。囲炉裏の灰に埋め、熾き炭を活用して使っていたと思われる形態が面白い。自分で囲炉裏を使っていると、縄文人の気持ちがよくわかる。

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からむし織を追って


ミズバショウの季節に尾瀬に行くのを考えていたのだけれど、天気がよくない。ようやく畑仕事にくぎりがついた 15日、ちょっと出遅れて地図を仕入れて秘湯へ一泊。場所は栃木県の川俣温泉。ここから翌朝、尾瀬もしくは鬼怒沼へ・・・と考えたが、ここまで来たら福島県昭和村の「からむし織の里」を見に行こうということに。尾瀬はまたじっくり計画の後、ということで。

「からむし」とはイラクサ科の多年草で、この草から麻に似た繊維が採れる。昭和村は本州で唯一、からむし織が現役で残っている。木綿が普及する以前、遥か縄文時代の昔から利用されていた植物繊維で、日本の山村ならどこでも普通にみられる。群馬の山村でもカラムシの成長は旺盛で、とくに石垣の天端にはまるで柵のようにカラムシ群落が立ち上がっているのを見る。昨年、薪ストーブで細かな雑木を燃やしているとき、カマで刈って棄てておいた乾いたカラムシが混ざっていた。その繊維を剥きとって、強靭なこと、繊維の透明感に惹かれるものがあった。どうやって糸を紡ぐのか、その布はどういうものなのか、実際にこの目でみて触れてみたいと思っていたのだ。

丸沼、戦場ガ原、光徳牧場と進んで峠を越え、延々の下り道にうんざりしかけた頃、ようやく奥鬼怒川俣温郷に到着。鬼怒川最源流の流れに突き出した露天風呂は広々として良かった。翌朝、五十里湖を過ぎて「巻き枯らし間伐」の山が現れる。藤原町の森林組合の仕事だろうか。栃木でもこの施業が普及しているようで嬉しい。

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ムラサキ


朝、Iさんの山に一緒に入る。クリの薪を貰えることになったのだ。林内にかなり昔に割ったものが野ざらしに積まれている。だが、クリは水に強く腐りにくいから大丈夫なのだ。Iさんは自転車で鬼石まで帰るという。畑敷地で開墾していないところにヒメジョンが咲き始めたので下刈りする。ついでにフキを摘んで茹でる。

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シルクハット


仮眠してから徹夜でイラストを仕上げる。データCDをヤマト便で発送し、その足で藤岡の歯医者へ相方を送る。ちょっと時間があったので、諏訪神社の「高山長五郎顕彰の碑」をみてきた。藤岡発、養蚕の父である。

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蕎麦、黒衣の女


昨日植えたカボチャの近くの石垣にヘビ(ヤマカガシ)がいて、今日の水やりにもばったり出会う。アトリエに戻るとノラネコのミッキーがいて、2階のテラスから逃げていく。生き物大好きだから、まあいいっす。

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