「大地の再生」in 温泉津/前日視察


島根・温泉津 13:00着を約束しているので、早朝に高松を出る。瀬戸内側から山陰側に変わると森の姿が一変する。川沿いの道の駅でひと休み。奥に石州瓦の古民家が見える。そして煙抜きがある。

昼食は三瓶の「そば工房木の香」で蕎麦を食べた。なかなか美味い。なにしろこの辺りは出雲蕎麦の伝統がある

待ち合わせ場所に定時に到着。ここが現在の小林君たちの事務所兼宿泊棟ということらしい。まだ改装途中でエアコン工事の業者が出入りしていた。

まずは「里山インストール」の工房(工場)に案内してもらった。山林とセットでかなりの面積を購入している。自伐材で立てた大きな東屋に様々な機械類が置かれ薪が積まれている。

そして裏手にはなんと茅葺民家(トタンが掛けられているが)が! これを改装して囲炉裏を置く(できれば茅葺にふき直して)というのも小林君たちの目標のひとつ。

スギも多いが、周囲には照葉樹の自然林がかなり残っている。そして敷地の中に沢があるのもすばらしい。棚田も少しあり、放置されていたものを手入れし直し田植えもやってみたらしいがイノシシの滅多打ちに遭ったそうだ。

桜本さんのスギ林に案内してもらう。手入れの行き届いたすばらしい美林になっている。桜本さんは御歳88歳、自分で植えたこのスギの木をたった一人でここまで手入れしてきた。すべて十分な枝打ちがなされている。が、後継者はいない。

そこで周りの支援者が「桜本美林を守る会」を作り、このスギ林を環境的にも良い美林にして末長く保全したいと動き始めたのだった。篤林家の常としてスギ林の中の広葉樹は伐ってしまっているが、環境のためにもスギ自身のためにも今後は広葉樹を入れたい。形状比もやや高そうなので間伐も必要だろう。

それを桜本さんにどう説得して新しい施業を受け入れてもらえるか・・・が今回の大事なミッションのひとつ。

林縁にカンアオイがまばらに生えている。近隣の山ではギフチョウが多産するらしい。ひょっとしてここにも?

温泉街にある「時津風」へ。温泉津温泉は自然湧出で源泉掛け流し、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた全国屈指の名湯である。そして国の重要伝統的建造物群保存地区にもなっている。その古民家を一棟まるごと改装してバー・ギャラリー・サウナに仕立てたという「時津風」。ここも小林君たちが改装・プロデュースしたものだ。

まずは温泉に入りに行った。温泉津は今回で4度目だ。前回は2018年「大地の再生」屋久島取材の帰りに立ち寄った(2018.4.13)。その前は、群馬の山暮らし時代。九州での講演と取材の途上(2010.2.24)。そして初体験は「四万十式作業道」の取材の帰り道であった()。しかしここで宿泊するのは今回が初めて。

相変わらずの強烈な熱湯でふわふわになり桐下駄でしばし街を歩く。打ち合わせを兼ねた夕食は時津風の数軒先にある「WATOWA」で。宿も兼ねており、入り口がコインランドリーになっているという面白い構造。

いろいろ食べさせてもらったがレベル高っ❗️ ぜんぶ美味しかった。これはタイのカルパッチョ。

エビとソラマメのリゾット。その他オーガニック・ワインをいただきながらいろいろ。

時津風のバーへ。夜の通りはこんな感じ。レトロな看板が残る。

プロのギタリストの弾き語りライブ中であった。

お開き後のサウナを見せてもらった。建物のいちばん奥にある。奥が岩山に隣接しており、照葉樹の自然林になっている。

ここでは石州瓦をサウナストーンに使い熱源は薪火を使っている。水風呂や外気浴スペースもあり、その改装には里山インストールの自伐材が用いられている。サウナブームの今、これは話題になるだろう。

明日の午後からの講演会場は時津風の2階和室で。今日はここで就寝。


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