隈建築行脚〜角島〜温泉津温泉〜蒜山やきそば〜帰還


最終日。下関から山陰を通って四国高松へ一気に帰る。私は途中、萩で焼き物を買うのがこの日の一番の目的。そして隈研吾の建築見学。山口県豊浦町安養寺の境内「安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設」。

12世紀の木造阿弥陀如来(重要文化財)の収蔵施設。

地元に古くから伝わる日干しレンガ(アドベ)工法を再現し、35cm立方の日干しレンガを積み上げて外壁を作った。照明と換気が重要な課題であったが、レンガの間に隙間を空けることで、光と風を建築に取り込んだ。部分的に鉄板で補強する事で、風と光を通すポーラスな日干しレンガのディテールを開発した。日干しレンガは調湿機能を有するので、空調機械を設けず、素材そのものによる環境の制御という考え方を採用した。このようにして、木造の彫刻が要する最適な室内空間が実現された。自然素材を用いることで柔らかく、優しい、そして軽い建築を目指した。この建築はその麓にある土を自然に採用した結果である。純粋な自然工法であるレンガ造りは、半建築‐建築とランドスケープの間を繋ぐもの‐を造る最適な工法といえる。(隈研吾建築都市設計事務所 HP)

しかし、やはり隈研吾はスチールとガラスの使い方が巧い。その組み合わせの妙で自然素材が引き立っている。

もう一件、川棚の杜・下関市烏山民俗資料館。

鉄骨と木毛セメント板。

ガラスと鉄とコンクリートなんだけど、有機的な優しさに満ちている建築。

昨晩のバーテンダー、イエローの早川君が教えてくれた角島(つのしま)へ行ってみる。

すごく綺麗な海だった。が、灯台付近の開発の感じがよくない。水産加工品販売の店を見つけて入ってみた。親父さんはこの島の消防団の団長を長く務めた人で、灯台周りの開発には反対だったんだそうだ。

「あそこは松林もあってすごくいい雰囲気のとこだったんよ。それがユンボで掘り返して道をつけて有料駐車所やくだらない食い物の出店を作られた」

「アスファルトの道をつけたら水と風の流れが滞って、海の生態系にまで影響するんだよ」・・・と私は言った(矢野さんになった気分で)。ウニの塩漬けがあったので物色していると、親父さんは「買うなら絶対これがお得やで!」と、一見チープなパック入りのものを勧めるのだった。瓶詰めは上げ底で損なんだそうだ。また、土産物屋のものは混ぜ物がかなり入っている、と。

親父さんは本当の島の姿を見るならここだ、という場所を、地図に赤鉛筆でぐりぐりと道を描きながら教えてくれたのである。

そこはダルマギクの自生地で、美しい海岸の磯だった。こんなすばらしい島を、観光客目当てに、ズタズタにコンクリート土木で引き裂いてしまう日本人・・。島を出る帰り道、運転しながら涙が出てきた。

 

昼飯は公園の駐車場を見つけて、枕崎のスーパーで買ったキビナゴの塩干しと、カツオの真子の塩漬けを焼いて、一昨日の赤飯の残りとぬか漬けで。

ここでハプニング。カツオの真子を置いていたら一部をトンビに拐われてしまった! お茶漬けにするとすごく美味かったので、トンビ君には塩分過剰ではなかっただろうか。

萩に立ち寄って陶器の買い物。N先生に運転を代わってもらい、店の前のピンポイントで止めてもらって俊足で買う。そして最後の温泉場「温泉津(ゆのつ)温泉」へ。

薬師の湯。裏山の岩盤から湧出している。熱湯で、山陰地方屈指の名湯である。

フィナーレは大山(だいせん)。こんなにきれいに山頂まで見れたのはこのコースで初めてだった。

そして蒜山の「やまな食堂」で、ひるぜんヤキソバ。

さすがにくたびれて眠くなってきたので、N先生に運転を代わってもらった。XVの水平対向エンジンのパワーとサウンドはイイ♬  こうしてライトアップの瀬戸大橋を渡った。

幸福なスバリストの屋久島旅だった。全走行距離2,550km、12泊13日。うち船内2泊と5泊のキャンプで節約できた。私はいつも仕事を並行するので睡眠不足はあったが、旅では食べがちなジャンクフードとは無縁で、移動中も健康を維持することができた。なにしろ土鍋「かまどさん」と「ぬか漬け美人」と鰹節持参だからね♬

旅のあいだ、たくさんの方々にお世話になりました。この場を借りて深くお礼申し上げます。

次回は釣りと泳ぎしたいな、屋久島。

2018.4.9 永田浜にて

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