尾道~温泉津(4.坂の街探訪、薬師湯)


再びフェリーで宇野へ。岡山を通って広島県の尾道に立ち寄る。

尾道は坂と路地の美しい町だ。まずはアーケードを見学。昔の銭湯を改装したカフェでアイスコーヒーを飲み、小さな中華屋さん「みやち」でラーメン450円を食べてみる。

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あっさり昔(むかし)味のラーメンで、これはいわゆる尾道ラーメンとは違う路線のもののようだ。香り高いスープと細麺が美味しかった。青ネギ(といっても博多の細ネギとは違う大振りのもの)が良く合っている。

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線路を渡って坂を登り始める。「登る」という表現がふさわしい急斜面に、昔の佇まいを残した古い木造民家が立ち並ぶ。石垣、焼き杉の壁、漆喰、土壁、路地の石畳、やがて眼下に海が遠望される。坂と狭い路地に観光客を受け入れながら、ここでは暮らしが普通に営まれ、共存している。それがとても良かった。

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艮(うしとら)神社のクスノキ群に圧倒される。その上にロープ―ウェイが通っているので乗ってみたくなった。終点は千光寺。頂上には花崗岩の巨石が待っていた。宮島の弥山を思い出した。神社もお寺も、その大きなスケールと密度がすばらしい。

尾道は瀬戸内の自然の良港であり、かつて寄港する北前船の就航で栄えた。また石見銀山からの銀の輸送路の終点でもあった。財があったのだ。しかし、これだけの遺産を残し、かつ守り続けるというのは、並大抵ではない。ありがたいことだ。

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尾道の旧名“玉の浦”の由来となった千光寺の「玉の石」に近づくにつれ、強いデジャビュがやってくる。寺の鐘の高台から、瀬戸の島々を眺めながら、ゆっくりと坂を降り始める。

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山陰へ向かう。石洲瓦の赤屋根の家が増えてくる。そして新建材の家が少なくなってくる。土壁と漆喰と焼き杉の壁板。この山陰の風景が好きだ。

すでに夕刻、石見銀山は明日にしよう。温泉津温泉の「薬師湯」に入り、路上の空き地をみつけて車中泊。夕食はコンビニ「ポプラ」でお弁当を買う。弁当のご飯は温かいものをお釜からよそってくれるタイプ。けっこう美味しい。

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温泉津の湯はなんとも強烈である。おかげでぐっすりと眠れ、運転の疲れもすっかり取れてしまうのだ。


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