三又の空カギ


Gomyo倶楽部の定例活動日。今日は石高OBの若い参加者を車で拾ってから五名へ。彼女は前々から石窯ピザ食べたいと言っていたのでメンバーに準備してもらった。それにしても寒い日で、ピザ窯もサイドの薪をしっかり維持しないと放熱が早そうだった。

着いたらさっそく囲炉裏に火を入れたのだが、彼女はその炎に釘付け。3又と自在カギを動画撮影(さっそくインスタにアップされていた)。このところ、若い女性の薪火への興味はすごいものがあるね(笑)。

今日は竹の3又を新たに作り、Y字枝をフックにした「空カギ」の自在を下ろしたのだが、上部のカギにするいいY字枝が見つからずヒモの輪で代用した。

囲炉裏の自在カギは横木に魚などを彫って意匠とするが、「空カギ」の場合は上部のカギが見せ所であり、けやき材で大黒様をモチーフにした造形のものが北陸地方の商家の囲炉裏でよく見られる。

金沢、飴の老舗「俵屋」の囲炉裏の空カギ

そういえば、先だって東京国立近代美術館 で開催された「民藝の100年』」でもその空カギ上部の「けやきの大黒」展示されていたはず・・・と解説したところ、美術家でもあるFjさんがそれを見に行ったのに気づかなかった・・・というのだった。

たしかに、ゴロリとけやき大黒だけ展示されて、

《大黒形自在掛(じざいかけ)》 北陸地方 江戸時代 19世紀 日本民藝館

と書かれても囲炉裏には結びつかないかもしれない。ひょっとしたら、これに関わった学芸員も何に使うものか知らなかったりして(笑)。これを真似て僕が最近作ったのが、京田辺のAkasyaに設置したライヤーの材の自在カギである。

皮付き枝の火棚と自在カギ(空カギ)

ここにけやき材を使うのはけやきの木目もすばらしいということもあるが、けやき材は繊維が交錯していて割れにくいからである。自在のひものテンションが掛かるので割れたら湯を満たした鉄瓶が火の中に落下することになり、危険きわまりないからだ。

Akasyaのライヤーの材はサクラだったが、その割裂性と強度を十分確かめて作ったことは言うまでもない。それにしても、北海道二風谷のアイヌ博物館で見た衝撃的な光景もそうだったが、囲炉裏文化が博物館の中に収められて終わるのは悲しい。

2009.10.23「悲しみの二風谷/アイヌ博物館にて」

キャンプ焚き火が大流行で「焚き火三脚」「ファイヤープレイスタンド」という名で金属製の三又が売られているが、自在の部分は鎖で、そこに意匠性は見られない。製品を作っている会社もデザイナーも、日本の伝統文化の中にこのような自在カギの美があることを知らないのかもしれない。

Gomyo倶楽部定例活動報告(2022.2.20)


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