HACHIYADO囲炉裏暖炉づくりワークショップVol.3/1日目


第3回目・囲炉裏暖炉ワークショップの1日目。はじめに自己紹介、前回までの経過をおさらいする座学。そのあと、さっそく設置現場の部屋へ。その石組みをしげしげと観察する参加者さんたち。昨日、地元大工のMさんが石代わりの箱を合板で作ってくれ、それを石の基壇に設置した。

その後、外に出てこのワークショップの恒例となった「最小の焚き火」の実践。これは、囲炉裏や囲炉裏暖炉をともすための練習でもある。焚き火は小さければ小さいほどデリケートで難しい。

炉石の組み方、着火時の木の大きさ、その配置、焚きつけの置き方を解説。そして、マッチの擦り方から始める。毎度のことながら、正しいマッチの使い方ができない人が多いのであった。

出発直前に木と縄の自在カギを作って持ってきた。僕のアトリエの下屋には二又の枝をたくさんストックしてある。その中からみつくろって、「空カギ」※とフックを作って持参してきたのである。

※空カギ:竹筒に魚横木を使った一般的な自在ではなく、上部に縄掛けを置いてフックを上下させるタイプ。家で使う場合「空カギ」の場合は上部のカギが見せ所であり、けやき材で大黒様をモチーフにした造形のものが北陸地方の商家の囲炉裏でよく見られる(三又の空カギ)。

吊りのロープはマニラ麻の8㎜、9㎜のドリルで穴を開けると、このロープがちょうど入る。焚き火が安定したところで三又の縛り方を見せ、そこにその自在カギを吊るしヤカンを掛ける。

もうこれを見せるだけで、参加者は感動モノらしい。初参加の建築家Oさんは、

「これをキャンプ場でささっと広げて焚き火を始めたら、絶対にカッコいい!」

などと言うのだった。

イタル君のリクエストで一斗缶を切った焚き火台を作る。2年前の3月、ここで初めてのイベント「薪火と遊ぶワークショップ」をやったときの焚き火台をイタル君はいたく気に入っていたらしく、それからボロボロになるまで使っていたんだそうだ。

薪火と遊ぶワークショップ@琵琶湖”hachiyado339″

金切りバサミで一斗缶を切って、切り口を折り曲げて、枝丸太の脚をつけただけのものなのだが。まあ、これから室内燃焼実験をやるのにも便利だよね。

この中でも火をつけて熱心に実験を繰り返す参加者たち。しかし、昔は毎日のように行われていたこんなことが、ワークショップのイベントになるという時代になってしまったのだ。

午後から囲炉裏暖炉上部のフードを作る。合板で作るのだが、あらかじめ リンダ嬢が紙で型紙を作っておいてくれた。

それに合わせて合板を切っていく。

暖炉のフードには煙棚という部分があり、内部がちょっと複雑になっている。そのパーツがなかなか難しい。

あれこれと皆で考えながら合板を切り、ガムテープやL字金物で組み立て、火が当たる部分にはアルミホイルを貼って防火対策を万全に。

今回の煙突は丸である(第一号の僕のアトリエのものは四角)。ジグソーで丸く穴を開けた合板にずれ止めの金物をつける。これで完成!

記念撮影(笑)。第一号とまったく同じサイズなので煙の吸い込みは楽勝と思われ。しかし、このあと・・・

擬似石にセット。が、ここで煙突穴が数センチズレていることが判明。台座をずらして合わせ直し。

囲炉裏暖炉は煙突がほとんど熱くならないのが特徴。ただし煙突の径は大きめにする。とりあえずの仮設なので煙突径ぎりぎりに穴を開けて、実験用の仮貫通。

上から煙突を下ろしてセット完了。

一斗缶の焚き火台で点火してみる。煙突のセッティングがまだ中途半端、それに風が入り込んで部屋の空気が乱れ、吸い込みはイマイチだった。しかし、部屋の中に焚き火が持ち込まれただけで、この強烈な存在感に一同感動することしきり。

後に、火棚のノドの開きがやや狭いことが判明。サイズが3cmほど間違っていたのだった。明日それを修正して再チャレンジすることに。

夜の宴会は若狭湾の刺身や琵琶湖の鮒寿司風あゆずし、無農薬栽培のレンコンの素揚げなど、皆の持ち寄りも加わって、美味な地酒がまた進む。

僕は焼き台に陣取って、干物を焼き、食パンを焼き・・・皆に炭火焼きがいかに旨いかを感じてもらった。

その夜、深夜まで話は延々と続き、明かりを消してロウソクを灯して、イタル君の詩の朗読『火を焚きなさい』(by 山尾三省)にて〆。

参加者には既に山林農地つきの古民家を購入して、囲炉裏か囲炉裏暖炉をつけようと決定している人もいて、みな熱心さがハンパない。明日はなんとしても煙を抜かなければ・・・。

(続く)


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