遠国蕎麦、すだちポン酢の仕込み


天気がいいので屋島を見て、それからGomyoの活動場所と大窪寺までドライブ。大窪寺で蕎麦を食べた。

大窪寺は四国巡礼88箇所結願の寺、何度も訪れているが、階段正面向かいにある「八十場庵」でいちど蕎麦を食べてみたかった。香川なのでもちろんイチオシメニューはうどんであり、ここでは「打ち込みうどん」という鉄鍋で供される味噌味の煮込みうどんが名物なのである。

同じく「打ち込み蕎麦」というメニューもあるのだが、蕎麦派としては「遠国(おんごく)蕎麦」というのにした。「打ち込み」は味噌味、「遠国」は醤油味、と店の人に確認したからだ。蕎麦にはやっぱり醤油。味噌は蕎麦の風味を消してしまうんだよね。

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で、ここの蕎麦、ぼってりとした極太の田舎蕎麦だが、なかなか美味い。蕎麦粉は「山形産」と書いてあった。お店のHPには「新鮮な野菜と石のように固い石豆腐が入ったしっぽく風の田舎そば。大窪寺付近で採れたジネンジョと生みたてのたまごで練り上げた八十八庵ならではの完全自そば」とある。

まあ美味いけど、お値段も800円としっかり高めであり、汁はというと、やっぱり関西バージョンの透明系なのであるが、これはもう諦めているのだ。

栄養的に言うと、蕎麦は精製していない全粒粉であるところに意味がある。タンパク質は質的にも穀物最高といわれビタミン・ミネラル、そして食物繊維やポリフェノールをも含む。

一方、現在のうどんは精白小麦で、ミネラルや食物繊維はほとんど含まれていない。じつはこの穀物の精白、というところが現代人の食を貧困にしているコアの部分なのだが、ほとんどの人はこの認識に欠けている。

ならば白米や白パンやうどんの栄養損失は、オカズで補えばいいじゃないか? と思ってしまうが、実は未精製かそれに近い穀類でしか摂れない栄養素があるのだ。

以前の日記「小麦ふすまのカリントウ」2008/1/12から。

小麦のふすまは多種類のビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいる。穀類を精白するとミネラルは大幅に減少するが、とくにクロムは小麦で98%も失われる。

丸元淑生著『たたかわないダイエット』(講談社α文庫)の中に「よい食事の条件を満たす鍵、クロムの役割について」という一章が設けられている。クロムは植物にとって要となるミネラルで、これがないと植物の根も若葉も生育しないという。人の場合は、「クロムを不足させていると肥満を解消させるのは不可能である」とまで書かれている(127ページ)。

怖いことにクロムを身体から奪う食品というのもあってそれは、砂糖や精製加工度の高い食品だそうだ。それから、化学肥料をやりすぎた大農法をやりすぎて、土壌からクロムがなくなっていることも。

その後、夕刻に珍しく回転寿司を食べたのだが、何年ぶりかで入った回転寿司に衝撃を受けた。肉類やデザートがあるのは群馬でも経験済み、タッチパネルや直通レールで配膳されるのはテレビで見て知っていたが・・・

私が驚いたのはまずシャリの小ささである。なんだこれは? それとサビ抜きが標準になっていること。つまり、子供基準にしており、大人は袋入りのワサビを自分で切っていちいち皿に出して寿司に塗らなければならないのだ。

訊いてみると「糖質ダイエット」流行の影響もあり、最近の人はご飯の多食を嫌うので、その影響もあるのでは? との事。しかし、シャリの小型化は、店側にとっては皿の枚数稼ぎには好都合だろう。

糖質ダイエットにしてもあれはどこか倒錯している。精白穀類の食い過ぎはたしかによくないが、これも食肉産業と酪農産業、それに養殖魚業界や農薬たっぷり果物生産者が儲かる仕組みであることは間違いないのだから。

究極のダイエットはN/C比の高い食事にすることである。

Nとは栄養価値のニュートリエント・バリュー(Nutrient Value)の略で、Cはカロリーの略。つまり栄養価とカロリーのバランスである。低カロリーで栄養価の高い食品を選ぶ、食事をする、ということだ。

精白穀類、砂糖、油脂、の摂り過ぎがちな、そして外食や買い食いが多い現代人は、このN/Cレート常に意識しなければならない。ハレの日の食事はともかく、ケの日常食が大事である。

N/Cレートのきわめて高い食品の一つが豆である。ただし砂糖で甘く煮たらN/Cレートは下がってしまう。野菜と果物もよい。一方、きわめて低い最悪の食品がスナック菓子とソフトドリンクである。

穀類の場合は精白しているものはN/Cレートが低い。精白の過程で多種類のミネラル、ビタミン、食物繊維が激減するからだ(ただ減るのではなく「激減」するのだ)。

ここで冒頭の未精白の蕎麦と、精白された小麦=うどんの話に戻るが、前出の丸元淑生『たたかわないダイエット』に興味深いうどんネタが書かれている。

「うどんなんかはどう考えたらいいの?」

「うどんが食べたくなったり、そうめんが食べたくなったりするよね。そのときは欲求を満たすことが大事で、穀類はほぼ似通った栄養組成になっているから食事に変化をつけたほうがいい。
うどんは昆布といりこでつゆをつくるとN/Cレートの高い一品になる。うどん自体のN/Cレートは精白粉のために低いけれども、つゆに昆布といりこの成分が高濃度で溶け出しているからね」

「汁が重要なんだ」

「だから、うどんは実はわずかにして素うどんで食べたほうがいい。その代わりおかずをいろいろ食卓に並べておいてね。実が増えると汁の味を濃くしなくてはならなくなり、それでは汁をたっぷり飲むことができなくなるからね」

うどん屋で観察していると、ほとんどの人が汁を残す。塩分の摂り過ぎを気にしているのかもしれない。しかし、きょうびうどん屋もつゆには良質の自然塩や醤油を使っているはずで、塩の摂り過ぎ害は少ないように思われる。うどんの栄養的な本質は汁にあることは覚えていたほうがよい。

というわけで冬瓜スープは翌日に持ち越しになってしまったが、スダチを大量買いしておいたので、夜はそれでポン酢を仕込んだ。

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前回作ったときは箱で売っているスダチを使ったが、近所の直売所で安売りのスダチを買い集めると前回と同じような値段で個数が揃った。

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ちょっとサイズ大きめなのでレモン絞りを使う。茶こしで果汁を漉して、同量の濃い口醤油と2割の三河本みりん。

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今回は昆布と鰹節は使わず、てんさい糖を少々加えてからビン詰め。

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3か月ほど熟成させると美味い。が、これでも十分いけるのですぐになくなっちゃうんだよね(笑)。

で、モンダイの寿司なんですが、

(こうなったら今後はにぎり寿司も自家製でやったる!)

・・・と、ひとり静かに誓った私であったw。

▼旧記事2016/6/30
本わさで手巻きとにぎり


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