先日の足利講演の最後に、高崎の剣崎浄水場が昨年度の「土木遺産」に選ばれたお話をした。砂の層をろ過させるだけで、100年もの間、美味しい水を作り続けている(現在も稼働中)この「緩速ろ過」の技術が再評価されたのであった(上毛新聞)。
実は私の住む桐生市梅田町で浄水場を造る計画が持ち上がっている。現在、浄水法は「急速ろ過」が主流になっているので、この機械だらけの浄水場を作られてしまう可能性が高い。「急速ろ過」は濁り除去にアルミニウムの薬品を使い、そこで出た汚泥は乾燥させ産業廃棄物となる。機械の値段は非常に高額で、メンテナンスもメーカーに頼ることになりがちだ。運転コストも高い。
いっぽう「緩速ろ過」は砂の層の池を作るだけだ。砂の上の藻と中の微生物が美味しい水をつくる。メンテナンスは熟練した技術者がいるだけで良い。
しかし、昨日の桐生議会を見ていると、彼らが自分で進んで浄水法を勉強するとは考えられない。このままでは機械メーカーと御用学者と設計コンサルに煙に巻かれて「急速ろ過」になるのは目に見えている(私=大内は、大卒後の設計会社時代に急速ろ過による浄水場設計に関わった経験があるのでよく解る)。桐生川の源水はかなりキレイなものなので、「緩速ろ過」が最も安全で廉価で適した方法に思われる。
そこで、信州大の中本教授が「緩速ろ過」についてYou-Tubeで発信されているので貼付けておきます。