トラちゃん着火


今回の煙突はとりあえず2階の室内に立てることにした。この古民家は養蚕のために造られたもので2階の天井は高く大空間になっていて煙り抜きのすき間がある。もともと囲炉裏で燻すのを前提に造られているのだ。囲炉裏の上部、前住者が化粧合板で塞いでいた天井をナタとノコギリで切り取り剥がすと、井桁の煙り抜きが現れた。美しい端正な大工の仕事に感嘆しつつ、僕らは2階に上がってそれを取り去り、トタンをはめ込んで煙突を設置する。

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トラちゃん入場


昨年の2月、友人から薪ストーブが届けられた。それは長野の職業訓練校の生徒の作品だという。本体からにゅっと出た足が日本画の虎みたいで可愛いので、僕らはこの薪ストーブを「トラちゃん」と命名した。が、その重さはなんと80kgもあり、アトリエまで担ぎ上げるのは大変だった。

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日本人と薪


先日、わがアトリエ敷地の御神木、大カシの枝を切った。その枝を処理する。といっても捨てるとか燃やしてしまうわけじゃなく、もちろん全部薪にするのである。薪ストーブには細い枝など焚き付けにしかならないが、囲炉裏には細枝は便利なものである。大枝はチェーンソーで、中枝はノコギリで、小枝はナタでさばいていく。もちろん葉っぱは堆肥に積む。

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クワの薪


イラストマップの取材が入ったり打ち合わせや来訪の電話が入ったりして忙しい一週間だった。HPの「写真&エッセイ」に動植物の写真をアップした。アトリエで撮ったものを中心に、これからも数を増やしていく予定だ。でもここに殿堂入りするにはかなりの秀作じゃないとね。鳥も撮りたいんだけどこれはカメラを買い替えないといけない。

さて、秋だ。伐採の季節、イノシシ避けづくりに邪魔なクワを伐っておいたのだが、それを運んで薪に仕立てる。こんな細い枝は「薪ストーブ派」には無用の長物だろうが、カマドと囲炉裏を使うここではすべてが役に立つのだ。

生の木はノコが入りやすい。かなり楽に切れる。太めのものはクサビで半割りにする。これも生木のうちは面白いほど簡単に割れる。クワの心材は鮮やかな黄色で美しいのだった。

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