今回の煙突はとりあえず2階の室内に立てることにした。この古民家は養蚕のために造られたもので2階の天井は高く大空間になっていて煙り抜きのすき間がある。もともと囲炉裏で燻すのを前提に造られているのだ。囲炉裏の上部、前住者が化粧合板で塞いでいた天井をナタとノコギリで切り取り剥がすと、井桁の煙り抜きが現れた。美しい端正な大工の仕事に感嘆しつつ、僕らは2階に上がってそれを取り去り、トタンをはめ込んで煙突を設置する。
2階はまだ物置き状態で改装がまったく進んでいないのだが、煙突回りはもちろんきれいに片付け、念のため床にはトタンの波板と消火用のバケツを置いて、様子をみることにした。いよいよ、トラちゃんに着火。何度か2階の煙突回りを見に行くが、煙りの抜けも良く心配ない。
昨冬は囲炉裏で薪を節約したので、乾いた太薪がたっぷりある。小気味良く燃える炎。ほんわりと、しかし身体を突き抜けるような暖かさ!
ちなみに今回の経費は0円。友人はステンレスの煙突もセットで持って来てくれたのだが、足りない分は2階にあった廃材で継ぎ足した。床の自然石は敷地に転がっていたもの(三波石)を使ったが、これがトラちゃんの優しさと迫力を引き立てている。「薪入れ」は割れた水鉢である。
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