伊勢崎の界隈


午後から前橋~伊勢崎へ。次回の個展で古い建物を描こうと思っていて、だいぶ前から外に出たついでに写真を撮って回っている。まだ見ていないものが近辺にもあって、まずは前橋の蚕糸会館に向かう。建物はパッとしなかったが、バラ園はなかなか良かった。2008年の緑化イベントに向けてリニューアル予定だとかで、今シーズンで閉園になってしまうそうだ。植物は時間との連続性でいい感じに育っていく。よく手入れされた太いバラの木やボタン、藤棚もすばらしかったし、温室もよかった。残念である。どんなリニューアルなるのか、ちょっと心配である。

middle_1147092907

“伊勢崎の界隈” の続きを読む


釜飯の具


十石峠を越えて長野の早春の様子を見にいこうと思ったら、峠の登り口のゲートが閉まっている。開通はあと数日先らしい。そこで上野村のトンネルを抜け、下仁田から軽井沢に向かった。このトンネルもすごい。交通量はほとんどなし。上野村前村長の悲願だったらしいが、これだけこの村に金があるのは東京電力にダム建設で「身売り」したからだ。

今日の『上毛新聞』によれば、上野村は「発電所の固定資産税(償却資産)が、年間予算に匹敵する二十六億四千二百万円に決まり、二〇〇六年度から地方交付税の不交付団体になることが確実になった」と。固定資産税収入だけで一般財源額を大幅に上回り「関連の電源立地対策交付金も二十五億円に達する」(!)「余った財源の使途は未定で、将来に備えて新設の基金に積み立てる方針。自立を推進する過疎の村は、財政難が叫ばれる中で例外的な“富裕層”の自治体となる」とのこと。

軽井沢は平日のオフシーズンでがらがらだった。雪をかぶった浅間山が美しい。帰りに横川の峠の釜飯を食べてみた。ロングセラーだけあってなかなかよくできている。漬け物入れなんかも秀逸である。が、味は昨日僕がつくったエビ&豚肉入りサフランご飯のほうが旨かったかな。

middle_1144202340

“釜飯の具” の続きを読む


囲炉裏パン、ヴォレ・シーニュ


ふうふう、イラストマップの仕事が続く。今やってるのは茨城県南の散策マップのようなもので、筑波山、八郷、真壁、かすみがうら市、土浦のあたりをやっている。最後の土浦のラフがしんどい。茨城で生まれ育ちながら土浦はほとんど行ったことがない。行ってみるとなかなか面白い。水戸街道の宿場町の風情が残っている。もともと霞ヶ浦の港町だったんだね。江戸との交易拠点でもあり、古い商家やレンガ蔵が残っているのだ。レンガ蔵の喫茶店もある。今回はそんな建築を描くカットが多いので手間がかかるのだった。

middle_1141191984

“囲炉裏パン、ヴォレ・シーニュ” の続きを読む


藤岡「たむら」


前日は川越のシンポジウムの批評とか、森林関係友人への質問メールの答えなどを書いていて一日が終わってしまった。みぞれが降っていた。その前日はジョイフル本田で買い物したりヤマダ電気でFAX機を買ったりした。そうそう、書店で買いました宮脇昭『いのちを守るドングリの森』(集英社新書)。いま読んでます。

今日は天気が良かった。外でチビカマを焚いて本を読みながらコーヒーを飲む。でも読んでいるのは宮脇昭ではなく、玉村豊男の『健全なる美食』(中央口論社)。この本は力作だね。玉さんの文体はけっこう好きです。
“藤岡「たむら」” の続きを読む


カーンの言葉、足利、館林


前夜、けっこう飲んだのだけど、ホテルのベッドで4時に目が覚めて『ルイス・カーンとはだれか』を読み続け、相方が目を覚ました頃にはついに読了してしまう。

「構造は光を与え、光が空間をつくる」

「街路はひとつのルーム(部屋・空間)である。合意された共同体のルームである。街路の性格は、交差点ごとに変わっていき、それはいくつものルームのつながりとみなしていいでしょう」(カーン1971年の講演から)

「都市とは、その通りを歩いているひとりの少年が、彼がいつの日かなりたいと思うものを感じ取れる場所でなくてはならない」(1973年)。

カーンの珠玉の言葉が、明け方の僕の脳幹に心地よく突き刺さる。

“カーンの言葉、足利、館林” の続きを読む