明治天皇と山梨の山林


甲府はむかし南アルプス登山で何度か訪れたことがあるが、市内をゆっくり観たことがない。市内に車を停めて甲府城跡「舞鶴城公園」を歩いた。古い石垣に新たな石垣が混在したかなり立派な公園になっている。頂上あたりにミナレットのような石柱が建っている。

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その正体を確かめようと、とりあえずそこまで登ってみた。「謝恩碑」という説明書きがあり、碑文の現代語訳が銅板に書かれている。山梨は天皇家から譲り受けた山林があって、それゆえ公有林が多い(自然塾の町有林もそのひとつ)ということは聞いていた。それが、頭の片隅にずっとあった。その理由がここに書かれていた。すなわち・・・

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山梨は高い山々に囲まれ多くの川が集まる地形であるが、地形がもろく昔から水害におびやかされていた。無計画な伐採や、火入れが原因であったという。度重なる災害を目の当たりにし、当時の明治天皇が御料地を山梨県に与えることにした。

その顕彰と感謝のための石碑なのであった。陛下は

「以後、山林をよく手入れして国土を守るように」

とおおせになった。大正8年3月の碑文である。僕らはここに導かれたようた気がした。そこから甲府の町が見渡せた。ちょうど夕日が山の端に落ちかかるところだった。

アーケード街を散策し、喫茶店で休みながら相方と今回のイベントの感想を語りあった。今日は車中泊で、明日は笛吹川上流の西沢渓谷を散策する予定だ。フルーツ公園という夜景のすばらしいおあつらえ向きの駐車場をみつけた。夕食はコテージで炊いたご飯のおにぎり。缶ビールと増穂の地酒「春鶯囀(しゅんのうてん)」で夜景を観ながら乾杯。デザートは「くろ玉」。青豆の餡が入った素敵な甲斐の銘菓である。

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2日目、間伐講習


早朝、コテージのベランダから見える富士山を期待していたのだが、もやに隠れている。増穂町から見る富士は絶景で、真東に位置するためにちょうど山頂から日輪が出始める「ダイヤモンド富士」が見られることで有名だ。スライドをチェックしつつ、鰹節粉を練り込んだ持参の味噌で味噌汁をつくり、前夜の残りミート高橋の「ちびカツ」でソースカツ丼風を作って朝食。しかし、電気釜で炊いたご飯は「力(ちから)がない」とは相方の弁。僕も「不味い・・・」と思わず口にしてしまったぞ。電磁調理器は初体験なので写真を撮ったりした。意外にお湯の沸きが早いが、これじゃ中華鍋や丸底鍋が使えないよな。

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増穂講演、1日目


山梨県の増穂町のイベントで記念講演や紙芝居ライブ、間伐講習会をやることになって、その下見に行った話しは4/9のブログに書いた。今日はその講演当日である。明け方4時にアトリエを出発し、雁坂峠を越えるルートで増穂へ向かった。峠の手前のダム工事が、凄まじい光景を見せている。「付替市道塩沢工区工事」という看板をみつけたが、一つの沢の道の付け替えだけでその工事額は1億円に近い。その道の上には線香林が立ち上がったままだ。しかも「この工事看板は埼玉県産間伐材を使用しています」という語句が・・・なんとも悲しい倒錯ではないか。

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シドキとキャラブキ


久々に児玉の助っ人Y氏がやってきてアトリエのスギ林に入った。まばらに広葉樹が伸びて、新緑の色を光に輝かせている。昨年からY氏もいっしょに選木し間伐した成果が見え始めている。「おお、明るくなったねぇ。気持ちイイねぇ」と声を漏らすY氏。足下にはスミレが咲いている。ケヤキやカエデが元気に育ち始めている。この広葉樹も大事に育てていこう。楽しみである。

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