手仕事で、木クズは燃料に


最近、林業雑誌なんかに「チェーンソー・アート」の記事がよく載っているけど、はっきり言ってオレはあれ好きじゃないぜ。しかも、伐倒した生の伐り株に直接アートしちゃうヤツもいるらしい。なんか可愛そうというか残酷というか・・・(そう思わないのかな?)。アートならちゃんとノミと彫刻刀でやればいいじゃん。ガソリン使ってオイル使ってうるさい音たてて排気ガスまき散らして、あんなものに夢中になるヤツの気が知れん。

「チェーンソー・アート」で村おこしだって? はっきり言おう。山村の「旧住人」でチェーンソー・アートに理解を示す人はほとんどいないと思うよ。木は使うもの。売り物。燃やすもの。そのために植えたんだからね。そして機械や燃料は、大事に使うものなんだ。ムダなことは絶対にしない、それが山に生きるってことだ。それが自然の中で暮らす「掟(おきて)」なのだ。

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法師温泉行き


「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳が10個満願となったので、事務局に送っておいたところ、第一志望の法師温泉へ無料で泊まれることになった。この温泉は越後国境に近い沢のどん詰まりに1軒だけ「長寿館」という温泉宿があり、上流には民家はない。旧館の宿は築130年という木造建築で本物の囲炉裏がある。それを見たのがアトリエの囲炉裏再生のきっかけになったのはHPに書いたとおりだ。

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囲炉裏でジャガイモ、小津映画


 

雨。朝、Y先生の奥様から電話。下の先生宅で9月の個展の打ち合わせ。午前中は囲炉裏を焚いてギターの練習。小雨になったのでニホンミツバチの様子や畑を見に行く。ミツバチは雨の日はほとんど外に出ていかない。ときたま帰還してくるハチがいるが、雨水で羽の動きを奪われて辛そうである。

ラッキョウを収穫したり全体の草刈りをしたりする。それにしても7月の草の猛威は凄い。またしても汗だく(毎日!)。

上野の「伊勢音商店」からネット注文の鰹節などが届く。「大雨被害だいじょうぶですか」とメッセージが書かれていた。こちらはそれほど降っていません、ご心配ありがとうございます。

届いた鰹節をカンナで削りながら、囲炉裏端でノートパソコンを開いて小津映画『東京暮色』のDVDを観る。ジャガイモを焼いて食べ、昆布とカツオだしで蕎麦を食べる。今日は一日じゅう囲炉裏を焚いていた。夏の囲炉裏もいいものである。長雨の湿気を解消するのに効果的だし、燻しが蚊などを寄せ付けない。ちょっと熱いと思ったときは裏の戸を開けて風を通せばいい。

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囲炉裏炭を火鉢で


ちょっと肌寒い日。囲炉裏でつくった炭で火鉢を焚く。これもなかなか愉しい。囲炉裏を開設する前は、「囲炉裏は煙いので炭を使おう」と思っていた。しかし、今はちがう。「囲炉裏では炭が作れる」なのである。

囲炉裏で炎を立てる昔と同じ使い方がそれほど苦もなくできていることも驚きながら、炭ができるのはさらに大きな発見であった。

囲炉裏で小枝や薪を燃やしているうちに、炎の先端に熾き炭ができる。それを取り出して火消し壷に入れてためておく。たまったらビニール袋に保存しておく。それを火鉢や焼きもの料理に使う。なんとナチュラルでローコストなのだろう! こんなことはどんなアウトドア教本や田舎暮らしのノウハウ本や、薪ストーブや焚き火の本にも載っていなかった。誰も語らなかった。しかし、山暮らしのじじばばたちは、ずっと前から当たり前のようにしてやっていたのだ。

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