ちょっと肌寒い日。囲炉裏でつくった炭で火鉢を焚く。これもなかなか愉しい。囲炉裏を開設する前は、「囲炉裏は煙いので炭を使おう」と思っていた。しかし、今はちがう。「囲炉裏では炭が作れる」なのである。
囲炉裏で炎を立てる昔と同じ使い方がそれほど苦もなくできていることも驚きながら、炭ができるのはさらに大きな発見であった。
囲炉裏で小枝や薪を燃やしているうちに、炎の先端に熾き炭ができる。それを取り出して火消し壷に入れてためておく。たまったらビニール袋に保存しておく。それを火鉢や焼きもの料理に使う。なんとナチュラルでローコストなのだろう! こんなことはどんなアウトドア教本や田舎暮らしのノウハウ本や、薪ストーブや焚き火の本にも載っていなかった。誰も語らなかった。しかし、山暮らしのじじばばたちは、ずっと前から当たり前のようにしてやっていたのだ。
炭の燃える匂いはかぐわしい。炭を燃していて嫌なニオイがするとすれば、それは保存時に周囲の臭気を吸ってしまったからだ。自家製の囲炉裏炭ではそんなことはないのである。今日は個展の制作など室内作業を一日。