原木の伐採(秋の備長炭取材その2)


紀州備長炭を焼くT氏がいま伐っている山を見に行った。白浜の海岸近く、道沿いでウバメガシの木はかなり大きく育ち、道路や電線の管理上からも伐る必要がある場所という。

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山下うどん・三豊の津嶋神社


雨上がりの晴天。このところ海霧・モヤがかかることが多く、この日は珍しく見通しがよかった。高松近郊、勝賀山のミカン畑から瀬戸内海を望む。

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坂出の山下うどんへ。前回の山下うどん行脚はこちら。実は、前々からこの店にもソバがあることを知っていたので、試してみたかった。

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ウバメガシの択伐


紀州の備長炭は非常に硬く火持ちのよい優秀な炭で、その性能はあらゆる木炭の中でも世界最高と言っていいだろう。いったん火が熾ると炭全体が赤くなり、長時間安定した火力が続き、短時間にムラなく焼ける。

だから、うなぎ・やきとりなど料理屋では多少高くても備長炭を使う。いまネットで見ると黒炭はキロ300~400円に対して白炭はその3~4倍はする。それでも効率や焼き上がりからすれば、プロは備長炭を使いたいわけである。

炭はその製法から黒炭と白炭に分けられるが、紀州備長炭は白炭の代表格で原料はカシ類、とくにウバメガシが多く使われる(黒炭はナラ・カシ類が多いが、サクラなどあらゆる木で焼ける)。

黒炭は窯で蒸し焼きにして作られるが、白炭は蒸し焼きの後、窯を開けて再び発火させ、外に出して素灰(粘土粉と灰を混ぜたもの)をかけてゆっくり消火させる。

このために硬質なきめ細かい肌の炭ができる。黒炭はお互いに叩くとコツコツという音だが、白炭はカンカン(キンキン)という金属音に近い音がする。そして手に持つとずっしりと重い。

Tさんの紹介で備長炭の炭やき名人に会いに行く。途中で「備長炭記念公園」を見学。ここには大きな炭窯が何機もあり、中で関東から移住したというIターンのご夫婦が窯出し中であった。

その後、龍神村方面へ山道を行く。かなり奥まった道の途中に窯があった。煙が出ている。名人といわれるHさん親子はその道では有名な人らしいが、実に気さくな方で、40代の息子さんは「四万十式作業道」をご存知であり、私がその本の著者であると知ると驚いておられた。

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熊野の備長炭を見に


熊野の取材へ。前回、中辺路の炭やき師Tさんに炭を出すときぜひ見せてほしいと頼んでおいたのだ。

紀州備長炭は白炭といって窯の中で火を消さず、窯を開けて炭をかき出し一度発熱させ、粘土灰をかけて消していく。

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仙酔島の森林


古い町並みが残っている広島県福山市の鞆の浦(とものうら)に行ってみたいと思っていた。後で知ったのだが、ジブリの宮崎駿が「崖の上のポニョ」の構想を得た所で家を借りて滞在していた時期もあったそうな。

確かに、これだけ多くの古建築が現役で息づいている場所はもう日本にはないかもしれない、そう思わされた。天然の良港で瀬戸内の海流がここでちょうど2分されることもあり、古くから潮待ち港として栄えた。町の中は江戸期からそのままの坂の多い幅の狭い道路が錯綜している。で、幹線道路から隔離された地区なので、そのまま保存された(取り残された)のである。

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