梅干し、青シソ


図書館で借りた『古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家』を読了。この本は家のことばかりでなく、家から派生する親子関係などにも言及されていていて、とても共感できた。僕も15年くらい前にロンドンとその郊外を旅したことがある。古い家と景観が美しいのに目を見張ったし、人々の服装や所持品が質素なことに驚きを受けた。作者の井形慶子さんは昭和30年代生まれというから、いま40代。僕と同じ世代である。

前日、コペンの車庫を造ろうとヒノキの間伐材の皮剥きを始めたところ、虫食いが多過ぎて断念した。廃材角材を工夫して組んでやってみよう。天気が良かったので梅干し用の梅を干した。アトリエ敷地の梅でどう出来るか? 初めてなので、初期の未熟梅でカリカリ梅を、後半に普通の梅干しと梅ジャムを仕込んだ。赤シソは敷地に自然に生えてきたものを使った。

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野菜の味


朝、Y先生の畑に枝豆とインゲンを収穫にいく。「ウチじゃ食べきれないから取りに行くように」と何度も言われていたのである。以前、植え付けの手伝いをしたジャガイモのスペースは収穫されて裸地になっている。ことごとく草が抜かれ土だけになっている。アトリエの畑とはえらいちがいだし、これをスタンダードとするY先生から見れば自然農など「単なる手抜き」としか写るまい。なにしろ僕らの野菜は、雑草の中に埋もれているのだ。

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手巻き寿司


コペン3日目、午後からスーパー林道を甘楽に抜け、高崎を周遊してきた。ようやく慣れてきて、運転に余裕が出てきた。

夏の定番料理として僕らは「手巻き寿司」を発見してしまった。なぜ山暮らしの食卓で手巻き寿司なのかというと、まず薪で炊いたご飯が、寿司飯にしても最高なこと(酢と砂糖で仕立てます)。この季節、アトリエの庭先に植えた青シソが大量に確保できる。キュウリもよく貰う(アトリエ産は出遅れている)。これが具に最高! で、あと町に降りたとき、安いマグロの一さくも買えばよい。それから、つつむ海苔も炭火で焼くのはもちろんだ。青シソがすばらしい味のアクセントなのだ。

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2日目


オクラを初収穫。スライスして醤油をかけて食べる。程よい粘り、瑞々しい。いままで食べたオクラの中でダントツの旨さ。しかし雑草がスゴイ勢い。ネギを覆わんばかりのところが出てきたので、さすがにいくらか刈らねばならないのだ。

ここ数日、オオムラサキが出ている。とはいえ何匹もいる感じではない。アオスジアゲハ、ミヤマカラスアゲハなども頻繁に見る。でも全体にチョウの数は少ない。本当は、自然林と里山環境が機能していれば、こんなモノではないのだ。僕の中高時代(30年前)は、有名採集地に行けば、階層構造と多彩な棲み分けをしてうじゃうじゃと飛んでいたものである。

ちなみに、ここ御荷鉾山周辺は僕が中学時代に愛読していた『新しい昆虫採集案内(1)』(京浜昆虫同好会編/内田老鶴圃新社1971年)にも紹介されていて、わがH集落は×印(採集ポイント)が記されている。昔は草原性のチョウ、アサマシジミやヒメシジミも採れていたようである。

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COPEN来る


朝、草刈りに行こうと準備していたら、Y先生がやって来た。毎朝2時に起き4時に朝食を食べ、明け方から畑の草取りをしているY先生である。日が上がって僕らが起き出す頃、すでに一仕事終えているのであった。

「いや、草の勢いがすごいね。石垣まわりに除草剤をまいたんだ。マムシがいてね、草がないとヘビもいなくなる」
僕らが朝寝坊な上に、アトリエの畑がいたるところ草が取りきれていないのを、先生は暗に批判されているようにも見受けられた。
「僕らの畑は生物共存型ですからねぇ(笑)。ま、生き物の写真がまた仕事ネタにもなるもんで」と頭をかくふりをする。
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