23年ぶりの海外旅行・ヴェネツィア/14日目その2・ヴァポレットに乗って


サンタルチア駅には15:20に戻ることができた。いよいよ最後の時間である(明日の早朝に帰国に向かう)。朝からけっこう歩いているのだが、高揚しているせいかぜんぜん疲れていない。

ホテルに戻らずそのまま歩き出し、教会の絵を見に行った。絵画ファンならヴェネツィアで絶対に外せないといわれている「サンロッコ大信徒会」である。

サンロッコ大信徒会は慈善事業を行う友好団体「信徒会」として、1517年から1560年にかけて建造された建物だ。ティントレットが20年以上かけた絵画装飾で知られる。

階段の壁にも一面にティントレットが💦・・・

ドームにも円形と屈曲した壁にフレスコ画が描かれる。

そしてここが奥の間。なんとも荘厳な・・・。天井画だけでなく装飾額がまたすごい。

めいっぱいのティントレット、さすがにコテコテのたたみみかけるような画風でお腹いっぱい💦・・・になったところで、清涼剤のようにティエポロの絵がイイ❤️

ティエポロはスペインのマドリード宮廷の優美な天井画で有名だが、彼はヴェネツィア生まれの18世紀の画家であり、ヴェネツィア美術絵画の伝統を締めくくる最後の巨匠といわれている。ここでイタリア・ルネッサンス期の代表的な画家を年代別に並べてみると・・・

ジョット(1267 – 1337)

フラ・アンジェリコ(1390~1455)

ベッリーニ( 1430 – 1516)

ボッティチェッリ(1445- 1510)

ダ・ヴィンチ(1452- 1519)

ミケランジェロ(1475-1564)

ジョルジョーネ(1477 – 1510)

ティツィアーノ(1490- 1576)

ティントレット( 1518 – 1594)

ヴェロネーゼ(1528 – 1588)

エル・グレコ(1541 – 1614)

カラヴァッジオ(1571-1610)

ティエポロ(1696-1770)

こうして見るとジョットがいかに先駆的な画家であるかがよくわかる。さらにレンブラントやドラクロアなどが出てくるのはこの時代よりずっと後のことだ。また、他国ではオランダのブリューゲル、ドイツのデユーラーなど北方ルネッサンスの画家が同時代にいるが、いずれも1500年代にイタリアを旅して自身の創造に多大な影響を受けている。

教会を出て、再び大運河カナル・グランデの方へ歩き始める。やはりビエンナーレの会場の雰囲気だけでも知りたいと思った。が、ビエンナーレの会場は島の東端の突端にあり、歩けば夕方になってしまう。ヴァポレット(水上バス)に乗って行ってみることにした。

↑が路線図である。ヴァポレットは運河と外海に停車駅の桟橋(さんばし)が出ており、バス路線のようにルートがある。本当はゴンドラに乗ってみたかったが、一人で乗るには値段が高すぎる。

シングルチケットが7.5€(1,245円)、1日券(24時間チケット)が20€(3,320円)。1日券を買ってみた。桟橋前に自動販売機があり乗船前にバーコードの読み取り機でチェックする。運転手は男性だが車掌は女性だった。

水上バスから見るヴェネツィアはまた衝撃的な美しさだった。

船着場の前は広々とした公園になっている。ビエンナーレの入り口の方へ歩いてみた。

今日は定休日で人気がない。

ビエンナーレ関連展示のマップがあった。今回のクェリーニ・スタンパーリアで見たYoo Youngkukの作品も記載がある。

船着場に戻ってもう少しクルージングすることにした。ヴェネツィアは本島の周りにいくつかの島が点在していおり、とくにヴェネツィアングラスの産地としてムラーノ島、レース織の工房があるブラーノ島、島全体が墓所となっているサン・ミケーレ島などが有名であり、いずれも世界遺産となっている。

ジュデッカ運河の方に周り込むヴァポレットに乗ってみた。サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂のクーポラを回り込む。その突端に安藤忠雄リノベーションのプンタ・デラ・ドガーナ(現代美術の展示館)。

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は17世紀に流行したペストの鎮静化を祈願して建てられ、10万本の木杭の上に造られたといわれている。毎年11月21日聖母マリアの祝日に黒死病撃退を記念する行進が「マドンナ・デッラ・サルーテ祭」として行われ る。このとき大運河カナル・グランデに船を浮かべた仮設の橋が架かるという。

サンタ・マリア・デル・ロサリオ・ジェズアーティ教会。船上からしか見れないファサードの全体像。パラディオ・スタイルだ、美しい‼️

このスケール感❣️ 門と彫像のデカさよ🎵

ここで船を降りて、夕暮れに差し掛かろうとする海と空を眺める。人々のざわめきを楽しみながら、カフェでスイーツを食べた。

実はyuiさんは一度も海外に旅することなく亡くなってしまったので、今回彼女の写真をザックに入れて一緒に旅してきた。それで最終日の今日、ヴェネツィアの海に流そうと考えていたのだが、忘れてしまった。しかしカフェで柄にもなくパフェなどを食べてしまったので、いっしょに旅しているyuiさんが僕に乗り移ってパフェを食べているのかもしれない・・・などど思ったりもした(笑)。

夕暮れのヴェネツィアの景色を目に焼き付けながら、宿に歩いて戻った。

さようなら金獅子、ありがとうヴェネツィア。

明日の朝、エールフランス9:50 発ヴェネツィア マルコ・ポーロ国際空港〜パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港経由で、関西空港へ帰る。

完結編/15日目・帰国の機上で>


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