暮らしの囲炉裏使い方講座@京田辺/音と炎、サクラと法螺貝


さて15日、京都府京田辺での囲炉裏ワークショップ開始。主催のMさんはライヤーの使い手なのだが、お友達の女修験者Rさんが飛び入りして、お二方の法螺貝の合奏という華々しいオープニング❣️

今回は少数精鋭ということだったので和室にてホワイトボードを使って座学を。囲炉裏についての一通りの学習を。その後、お庭に出て焚き火大会。庭にはすでに石の炉が作ってあり、そこを使わせてもらいました。

7年間の山暮らしで毎日のように薪火を使ってきた僕にはたやすいことなのだが、最近ではマッチ一本で焚き火を興せる人はスターになれるらしい(笑)。そして、やはりみな興味があるもう一つの行動は薪割りである。

お昼前に竹で三又を作って自在カギを下げ、ヤカンをかけた。ロープ1本と針金があればできるという超簡易型の自在カギであるが、高さの調整も効きなかなか便利である。

皆が三又焚き火に熱中している間、僕は子供たちの刃物使いに注意を促しつつ室内の囲炉裏に下げる自在カギの竹筒の部分を作っていく。

これでパーツはできた。あとは組み合わせて下げるだけだ。

2日前の下見で竹を掛ける場所は決めておいた。高い吹き抜けの寒さ対策に以前布地を掛けていたという桟があったのでそこを利用した。今回はあくまでも一時的なものなのでいつでも取り外せるようにセット。

それなりの高さががあるので脚立は必須。前回囲炉裏を作った永源寺の家田君も来てくれたのでやっちゃんと共に手伝ってもらった。

支点があれば小さな留め具でシンプルに掛けるだけでいい。

さっそくやかんを掛け、皆で自在カギを動かしてみたり、お餅を焼いたり。この家は工務店の社長さんが建てたものを後にMさんが購入されたのだそうで、最初からこの囲炉裏があり、吹き抜け上部には煙抜きの高窓もついている。

しかし、吹き抜けの周囲は2階の部屋とつながっているために炎の囲炉裏で煙を抜くのは難しい。それれもあるが、Mさんがまず囲炉裏に慣れることが重要だと思った。炭の選定も扱いにくいものを使われていたので、僕が持参した五名の炭をガス台で着火してその簡易さを実感してもらった。

HACHIYADOでも感じたことだが、炭火の使い方もやはりしっかり慣れないといけない。薪火の扱いがまったくのゼロから出発する現代人には、炭火で餅を焼くという行為すら難易度が高いのだ。

会話も落ち着いたところでライヤーの音聴きたい!というリクエストにMさんが応えてくれた。頭の上に乗せたライヤーを奏でる癒やし体験会である(僕は2日前に体験済み)。複雑にして快感系の振動が、骨を通じてずんと身体の芯の中に入っていく感じである。いま「波動医学」が話題になっているが、ライヤーの音にも同じようなセラピー効果があるらしい。

ライヤーはサクラの木から彫られる。無垢の木で共鳴箱はない。4本の弦が同じチューニングで張られる。僕もギター弾きなので弦楽器の音は大好きだが、このライヤーの響きは独特である。

この家の囲炉裏の自在カギは、ライヤーに相似した勾玉型の「空カギ」のイメージかな・・・そうつぶやいていたら、Mさんが彫り損じたというライヤーのサクラの板を提供すると言ってきた。

それどころか専用のノミのセットや固定の治具までお借りすることになってしまった。そうなれば火棚もそれに相応しいデザインにしなければ・・・。

というわけで課題を残しつつワークショップは終了。その足で僕はやっちゃんのトラックで酒井さんの「墨歌」へ夕食をお呼ばれに行くことに。実は今回、食事担当だったMさんが体調不良でドタキャンになり、急遽酒井さんがお手伝いしてくれたのであった。

その上に押しかけて夕食を頂くなどとは申し訳ないこと千万なのだが、前回の玄妙なる美味が忘れられず、お言葉に甘えることにしたのである。先生の台所で一緒に調理しながら教えを請うという得難い体験がついた。

帰りがけにお土産までいただいて、法螺貝から始まった長く不思議な1日を反芻しながら、やっちゃん宅への帰路に着いた。


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