一週間ぶりに現場へ。下屋の母屋側の壁が張り終わっていた。前にも書いたが下屋は納屋のような仕様にしてコストダウンを計っている。なので母屋の外壁が1面に出てくる。窓から差し込む光がいいね。
中央に棚田と里山の活動場所からいただいてきた丸太(こちら)が柱となって梁を受けている。
天窓も小さいの一つだけど、効果抜群。
母屋の中は断熱材の吹き付けが終わっていた。私たちが高知をお遍路していたときに終えたらしい。作業を見たかったのだが残念。スポンジのように見えるが触ってみると、けっこう硬い。
素材は発泡硬質ウレタン、2種類の原料を吹き付けることで現場で発泡して膨らむ。すき間なく断熱できるので高気密高断熱が理想的にできる、というもの。
2階天井にもくまなく同じ断熱材が。屋根との間にはスペーサーによって3cmの通気層ができ、軒の穴から熱が抜ける。つまり2層の断熱構造になっている。ここには天井板(シナ合板)が張られるが、合板を使うのは屋根野地と天井、それに建具の一部だけ。壁や1階床の下地には使わない。これが現在の建築事情において、ぎりぎり妥協できるレベル。
ここからは、壁にはバラ板がが打たれその上に石膏ボード。それを下地にして本漆喰で仕上げる。
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1階は基礎の一部にも同じ断熱がまわされる。半間(90cm)ほどコンクリート基礎床にもはみ出しくっついている。結露は一般に床下に24時間換気でダクトを回すことで防ぐが、この家ではダクトを使わないパイプファン形式(第三種換気)なので、床下と1階空間にグレーチングで通気をとる。また、安全策として床下に炭を置く。土台はヒノキなので防蟻処理はしていない(外材の場合は床から1mまで防蟻処理義務づけ)。
外壁の下地は合板を張らずにタイベック(高密度ポリエチレン不織布)だけ。これで大丈夫なのか? と思うが、内側から硬質ウレタンを吹き付けて固まっているので、ぺらぺらしていた布は硬い下地に変わっている。ここに床材とりつけのための小幅板の胴縁がつけられているが、これも通気層をつくる役割をしており、胴縁間はすき間が設けられている。
ガルバリウム鋼板の壁の色は母屋がモスグリーン、下屋がクリーム色のツートン。
軒天は地味なグレーで。
山で暮らしていた私たちには度が過ぎる断熱だが、「フラット35」で住宅ローンを組んだので、条件として耐久性や断熱性能基準を満たす必要がある(本当は1階も30mmスギ床にして断熱材不要としたかったのだ)。
まあ、冷暖房のコストをかなり押さえられることは確かなので、それを体感するのが楽しみ(ただしこの発泡ウレタン、現時点で化学的臭いがかなりする。時間が経つと消えるらしいが)。
全景。明日は壁がどのくらいまで進んでいるかな・・・。