基礎断熱の床下に漬物樽を


アトリエの建築は基礎断熱工法なので外部との通気的な開口部がない(室内の2カ所に通風孔がある)。洗面所の床に点検孔が設けられており(配管や配線が地下を通っている)、そこを開ければ中にもぐってどの部屋の床下にも通じるようになっている。一定の地温の影響を受け、冬は暖かく夏でもけっこう涼しい。

一方で下屋は西側にあって断熱材と内壁をつけていないので(コストダウンのため)夏は猛烈に暑く冬はめちゃ寒い。漬物や味噌樽を置くには適していないのだ。そこでいま点検孔を開けて地下にイタドリ塩漬けの甕とラッキョウ塩漬けのビンを置いてみている。

ちょっとコンクリート臭がするのだが、室内の2カ所に通風孔とつながっているのだし、和室とベッドルームの中央にはコンクリートの基礎床の上にスギ材のゲタを履かせて備長炭の袋をおいてある。

床下に炭を入れる(2014.12.10)

最近の住宅には基礎に通風孔がない家が多いのを目にするだろう。あれが基礎断熱の家で、エアコンで全館空調するのに熱損失が少なく有利なのだ。デメリットとしてはコンクリートや合板・防蟻材などの化学物質臭が室内に入ってきてしまうこと、そしてシロアリ被害の危険である。

が、アトリエでは床の下地にも合板を使わず杉板にしたし、土台は国産ヒノキの赤芯材で防蟻処理はしていない(外側の地中にはしてある)。断熱材は一般にはポリスチレンフフォームを使うことが多いようだが、アトリエではアクアフォームという現場発泡断熱材を用いている。アクアフォームは施工直後はかなりの化学臭がして心配になったが、現在ではまったく無臭である。

1Fの床は15㎜のスギで下地にも12㎜のスギを張っている(この下地は黙っていたら必ず合板を使われてしまう)。真冬でも裸足でフローリングの上を歩けるのは床材がスギだからというだけでなく、この基礎断熱の効果も大きいのだろう。

さて、昨年味噌を仕込んでおいた樽が2つ、いま2階の壁際に床置きしているのだが、

開封してみると黒豆のほうはけっこういい味になっている。

白いんげんの方はまだ練れていない感じ。黒豆味噌だけちょっとタッパーに移してふたたび重石をして蓋。

もう少し暑くなってきたらこの樽たちも地下室へ運ぶことになるだろう。地中の温度は15度前後と安定しており、床断熱の床の温度はその影響を受ける。ということは、漬物には最適でぬか床を置くにもいいし、赤ワインならワインセラーとしても使えるわけだ。

この冬にはタクアンを漬けるべく杉樽を購入してあるのだが、床下はその樽の十分収納できる高さがある。ここを貯蔵庫するなら夏を越す古漬けも作れるかもしれない。今思えば土台にヒノキを使いそして下地を合板にしなくてほんとうに良かった。備長炭もいい方向に効いてくれるだろう♬


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