横須賀市秋谷の植栽土木その後/ルオーゴ・フェリーチェ


さて、午後から一人で見に行った横須賀市秋谷の現場の様子を報告しておきたい。ここが初めて工事されたのは昨年の4/14だった。その後、5月にメンテナンスが入った。秋には台風19号で一部が崩れたが、すぐに補修に入る。私の過去のレポートはこちら。

大地の再生@横須賀市秋谷/急傾斜地に道をつける1.(2019.4.14)

大地の再生@横須賀市秋谷/急傾斜地に道をつける2.(2019.4.14)

葉山と山梨(2019.5.18)

【神奈川】K邸「植栽土木」造成(メンテナンス)工事(2019.5.18)

この工事は「植栽土木」というテーマにたどり着いたタイミングで矢野さんの目の前に現れた、願ってもない現場であった。当時は樹木がほとんどみられない急斜面の草地であった。そこに小型重機で「くの字」に折れ曲がる道を入れ、丸太や石、そして木杭と植栽による土留め工を行った。さらに道路ぎわ最下部のコンクリート擁壁にはコアを抜いて通気通水のための穴を開けた。

施主のK夫妻はこの高台に小さな家を建てる予定で、現在は近所に借家住まいしながらここに小さな畑を作り、木々の手入れをされている。ひと夏を過ぎて台風に遭い、いまふた夏目に入ろうとしているところだ。

イベントで作られた「風のトイレ」は、枯れた枝葉をこんもり付けて、なんだか生き物のようだった。右手にトウモロコシや落花生が植わっているのが見える。手前も実験畑でいろいろ芽吹いている。

斜面は土の露出がほとんど見られないほど緑に覆われていた。

道に沿って急斜面を降りてみる。

ご主人も植物好きな方なので、いろいろ花も植えられていて楽しい。

ここで道はターンして車道へ降りていく。植えられた木々はしっかり根付いて育っているのがわかる。どの木も枝先葉先がピンと張り、表情が良い。

この工事で使われた杭や土留めの丸太はかなりの数にのぼるのだが、いまやすっかり緑に埋もれてその存在に気づかないものが多い。

植えられたブルーベリーに在来のツワブキやシダがからんで不思議に一体化して見える。

ふつう、1年や2年ではなかなかこうはならないものである。植栽木の成長に苦労し、放置すれば周囲はヤブ化する。あるいは枝が暴れて急に伸びたりする。

道路の下に降りてみた。擁壁下にコア穴が見えるが縁石との境目からも雑草が生えている。

地面に空気が通っていると植物の根は細根化して強根を伸ばさない。すると地上部の枝葉はコンパクトになりあまり枝を伸ばそうとしなくなる。平面的にも立体的にも種々の植物たちが共存するように空間を作る。

これが1年足らずで実現できたことは驚きである。実は、私たちはこのような健全な自然の植物の姿を現在ほとんど目にすることができないという現実がある。木々はうなだれており、枯れた枝の空間にはツル植物が繁茂し、泥アクが溜まった地面の周囲には見た目に不快な植物が居着いている。見渡せばそんな場所ばかりなのだ。

空気が通ると植物は枝葉を大きく張らなくなるので、管理もずっと楽になる。

それには杭の大きさや本数や打ち方にまで周到な準備と施業が必要なのだ。また、最も重要なのは道である。敷地に対して歩道をどのルートで、どのような勾配でとるか? いい道は自然を育てるが、悪い道は自然を壊す。

再び道を上って畑に戻ると、対岸の山の木が枯れているのが目についた。

かなり大きな広葉樹だが、ナラ枯れなのか? これだけの規模で大樹が倒壊すると山全体にも大きな影響を及ぼすだろう。全国規模で「大地の再生」を急がねばならない。

今日は東慶寺の宿舎に泊めていただくことになった。その前に銭湯へ行き、東北から上野原講座に参加予定だった学生さんを駅でピックアップして食事へ。偶然見つけた「本格薪窯ナポリピッツァ」の店に入る。

もう時間も遅かったのでファミレスチェーンで済まそうかと思ったのだが。運転しているうちに窓越しにこの店の石窯の炎が見えたのだ。

これが、なかなか美味しいピザ屋さんだった。生地もすごくいい。

イタリアから取り寄せた窯だそうで、食後は撮影大会になった(笑)。

長野のリンゴの木の薪を使っているそうです♬ 店名「Luogo Felice」はイタリア語で「幸せな場所」の意味。

ルオーゴ・フェリーチェ」神奈川県鎌倉市台2-2-19


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください