大地の再生@北鎌倉「東慶寺」/2日目


翌朝、点穴の効果がすでに現れて、どの植物も枝葉をもたげ始めているように思われた。

石垣に生える植物も・・・。

朝は休憩所で朝食をいただいた。石段を上がると梅や紫陽花にかこまれた石畳の山道が谷戸の奥へと伸びている。まずは右手の本堂で合掌。その奥に小さな金仏が迎えてくれ、そこから路地にはいると休憩所がある。

花の季節は終わったが、目の前はアヤメの観れる湿地のようだった。

休憩所というが実は「白蓮舎」と名付けられたお茶室である。

建築としても、使われている木もまたすばらしいものである。この奥に水屋があるのだが、家具類もすべて無垢の木、しかも全部無節の柾目(!)。

待合もある。土壁に磨き丸太、そして竹。木だけでなく石や瓦、土壁のしつらえも本物。

つくばいは伏せられていたが、ここに周囲の緑が映ればさぞかし・・・。

花の季節など期間限定でここでお抹茶がいただけるらしい。私たちは静かな谷戸の空気のなか、土鍋で炊かれた朝ごはんを頂いたのだった。なんたる贅沢・・・。簡素なる贅沢というべきか、「禅」の教えそのものではないか・・・。

さて、今日は新たな飛び道具が用意されていた。「エア・スコップ」である。コンプレッサーで地中に強力な圧力で空気を送り込むのだ。

昨日のハンド・オーガーに比べて穴の径は小さくなるが、より深く、一瞬で穴を穿つことができる。

これが昨日のハンド・オーガー。これは上から押さえ込むように体重をかけねばならないので見ていてけっこう大変そうである。

エア・スコップはガードは付いているものの噴出した土が漏れて飛び散るので、作業者はゴーグルが必須である(接近の撮影もけっこう危険)。

飛び散った土はホウキで掃くかブロワーで掃除する。

エアスコップは根周りに空気を開くだけでなく、穴の跡は塞がずに点穴として使う。

後続隊はその穴に炭と枝葉を詰めていく。

コンクリートで完全に塞がれた通路にも要所要所にブレーカーで穴を。

ツルハシで仕上げた後にやはり炭と枝葉。コンクリートの破片も適度に柵ませて入れ込んでいく。

建物の裏手もだいぶ進んできた。コンクリート水路の中には古瓦が並べられていたが、和尚に了解をとりそれごと割っていく。そして瓦は取り出さず、コンクリートの破片とともに組んでいく。

様々な素材があったほうが空気の流れはよくなる。瓦の破片を組み込んで、中央には炭と枝葉。

矢野さんは昨日の倒木を見に行った。かなり太い木で重量もある。大枝を揺らして割れなどを調べ、これ以上動かないことを確認して中へ。

チェーンソーで割れた枝などを切りながら、木杭を作っていく。

アヤメの湿地にも風の草刈りが入り、通風が確保された。

仕上げはアジサイなど参道際の木々の手入れ。花を間引き、枝に透かしを入れる。

重要なのは根元の風通しである。自然状態では灌木の根際には雑草が伸びず風が通るようになっている。それを再現する。

オミナエシ。ちょっと徒長気味なので・・・

頭を少しカット。成長点が切られることで2番芽が出てくる。穏やかな花の表情になり、地中には細根が出やすくなる。

昨日は下がり気味だったウメの新枝が、立ち上がってきた。お庭の係の方もこれに驚いていた。アジサイなどにも微妙な変化がすでに現れているのが分かると言われていた。

雨が降り出して、14:30に作業は終了。片付けに入る。

明日から上野原講座が始まる。私はどこかで仕事を仕上げようと先に出発。雨だったが、せっかくなので鶴岡八幡宮に参拝する。ここでは毎年6月30日と12月31日に大祓式が行われ、今日はまさに夏越の大祓その日だった(神楽殿前の「茅の輪くぐり」をやってきた)。

その後、以前「手鏡」を買った「博古堂」で鎌倉彫を見ていたら、メチャ気に入った器に出会って衝動買い。外は、土砂降りに!(笑)


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