東京駅はさすがに人が少なかった。早く乗り継ぎしたいのでサンドイッチを買って中央線の快速に乗った。途中通った新宿駅の閑散ぶりは驚きだった。駅には社員のK君が車で迎えに来てくれた。
はたしてこのコロナ騒動の中でのライセンス講座、参加者はいるのだろうか? と心配になったが、会場に上がると全員マスク姿が20名ほど集まっている。矢野さんまでがマスクをしているのはなんだか可笑しかったが、今回はさすがに中止すべきか理事の間でも議論されたらしい。まあここは本拠地でもあり、今回は炭焼きをやるというのでその煙がコロナ避けになるかもしれない。後で知ったのだが、実は新型コロナウィルスに竹酢液が効くという情報が飛び込んできたのである。
昨年の台風で削られ水浸しになっていたところを、講座の中で大補修した鶴川の農道は、よく乾いて非常にいい感じに再生していた。先日、テレビ取材があったそうだが、この道に隣接した桜並木の再生も矢野さんらが手がけ、樹勢を回復させており、地元の方々の評価も高まっているようだ。
今日は講座2日目。前日の炭焼きの跡を掘り起こすことから作業が始まる。
屋久島講座のときのような「焚き火式」や「簡易伏せ焼き」ではなく今回は煙突を使ったやや本格的な伏せ焼きのようだ。が、空気の遮断がうまくいかなかったのか燃え尽きて灰になってしまったものが多かった。
今日は新たに炭焼きを追加して学ぶ。トタン一枚分の穴を掘って材料を入れていく。
トタンは伏せ焼きにはなくてはならない素材だ。使い古して少しふにゃふにゃしたもののほうがよい。
境界に土をかぶせてすき間を塞いでいく。
ここでは開墾したときの植物の根土の塊があったのでそれをブロック的に使うと便利。ステンの煙突を焚き口には横置きに挿し、後部には45度のエルボと組み合わせ煙突を立てる。
炭材の上部には乾いた燃えやすい材をのせておき、そこに入口側から火をつける。
トタンの裏側で燃えやすい材が燃え尽き、熾炭となって底に落ちながら、全体の材が燃え始める。すると煙突から集中して白い煙が上がり始める。
トタンの上にも土をかけ、焚き口と煙突以外のすき間をすべて土で塞いでいく。
太い竹を鉄パイプで節抜きしておくと木酢液が取りやすいのだが、今回は準備できなかったようだ。波板で代用して木酢液をとる。原理的には煙突から出た煙を筒内を通して冷却し,液体(木酢液)となって滴下したものを受けて集める。
オイル缶を使ったコンパクトな炭焼きにも挑戦。底面と側面3カ所に穴を開けておく。
底の側面穴から点火。
いちおう竹酢液採取にもチャレンジしたが、煙出口と冷却管とのつなぎがうまくいかず断念。
蓋に重しをして蒸し焼きに。
結果はだいぶ生焼けが多かったが・・・。
それでも一部はきれいな竹炭になっていた。
しかし炭焼きは面白い。火を扱うことへの根源的な喜び、原始への回帰。そして炭を取り出すときのワクワク感はなんとも言えない。さて新型コロナウィルスに竹酢液が効くという情報だが、矢野さんはその研究者と直接電話連絡を取られたのだそうだ。
やはり時代は「大地の再生」と「囲炉裏への回帰」を求めている・・・。
続く。