東京駅の構内に何店か立食い蕎麦屋があるのだが、広過ぎていつも探しきれない。でも外に出れば店の場所は知っている。八重洲側の大通りを渡ればすぐ2件のチェーン店があるのだ。朝飯は「小諸そば」で。
立食いそば、といってもカウンターにはイスがついていて座れる。内装はこぎれいで、薬味には左から小梅、ワサビ、自社製造の柚子七味、七味唐辛子がきれいに揃えられている。
そしてネギは自分でかける。取り放題だ。
蕎麦は白っぽくて上品な感じ。更科系ですね。
かき揚げは「ニンジン・タマネギ・干し海老・青ネギ・イカげそ」が使われている。げそが入っているのは珍しく、点数高い。この濃いつゆがいい、蕎麦はこれでなくちゃいけない。「東京でうどんた食べたら汁が真っ黒でさぁ・・・」などと言う関西人がいるらしいが、ケッ、東に来たら蕎麦を食え!と言いたい(笑)。
理事会は神田の貸し会議室で行われ、関東関西から10名ちょっと集まった。
昼は近所のおにぎり食堂で。
会議というのは苦手なのだが、自分たちの立ち位置と進む方向を確認するのは大切だろう。そしてここでしか得られない情報が飛び出すことも。そのわずかな情報のひとつふたつが、次の仕事の飛躍をもたらすこともある。
以前、矢野さんから聞た興味深い現場のことを、私は大地の再生に出会った初期のブログにこう書いた。
潜在自然植生の「混植・密植型植樹」で有名なM先生の植樹地で何度やっても木が育たないフィールドがあり、そこには真ん中にこの農道と同じようなまっすぐな道がつけられていて、雨が降るとそこに水が流れるような所だったそうだ。
矢野さんはその道に水を蛇行させる、今回のような抵抗柵をズラリとつけた。最初は車が走りにくい歩きにくい・・・と非難轟々だったそうだが、なんとそれだけで、植樹地の木が一斉に育ち始めたという。これにはさすがにM先生も驚かれたらしい(笑)。
その現場の写真を今回見ることができたのだ。これが施工直後のもので、ススキなどに負けて植樹した木が大きくなれずにいた。写真から、一直線の坂道の感じがよく解る。場所は「湘南国際村の植樹『めぐりの森』」、写真は2016年のものである。
そこを皆で施工している写真。
そして、これがごく最近(2020年)撮ったという写真。その驚くべき効果は明らかだ。道にも腐葉土がだいぶ堆積してきたようだ。浸透能もかなり良くなっているだろう。
道に集まって速く流れてしまう雨水を埋め込んだ角材でちょっと抵抗をつけるだけで、なぜこれほど絶大な効果が生まれるのだろうか?
実は、これこそ「大地の再生」の最も核心の部分と言えるのだ。雨水を等速に分散してできるだけ地下浸透させる。これが、大地が望んでいることなのだ。そして、回復する植物は本来の美しい樹形を取り戻し、周囲の植物と棲み分けしながら成長する。すなわちヤブ化しない。
暗くなって会議はお開きとなるが、数名が近所のイタ飯屋に分散・食事しつつ、そこで矢野さんと打ち合わせ。私は会議室から歩いてたどり着けるホテルを予約していた。雨の中、ようやくホテルに着いたのは深夜12時過ぎ。
身体は眠たいはずなのだが頭が冴えてすぐ眠れる気がしない。近くのコンビニで焼酎のワンカップを買い、フロントで氷をもらってロックで飲んだ。
※東京立食い蕎麦ガイドブック、けっこう出ているんだね。でも、さすがに香川県の図書館には収蔵がないようで・・・(笑)。