伊吹島のいりこ


瀬戸内海はいりこ(煮干し)の名産地で、讃岐うどんの出汁にこのいりこが使われるのは周知の通り。なかでも観音寺沖にある伊吹島産はとくに品質が高く有名だ。

引っ越してこちらで料理を始めてから、さっそくいりこを料理(といってもほとんどが味噌汁のだし用)に使っている。

この伊吹島いりこだが、全国的なブランドなので、ネット通販などではけっこう高い。たとえば・・・

【栗原はるみ/おすすめ食材】 伊吹島産 いりこ 300g ▶︎1,080円

以前、高松市内の乾物屋で見たら100gでなんと450円の値がついていたことがあった。こんなのじゃとても日常使いできない。

が、香川のスーパーなら300gの袋が500円代で買えるのだ。

▼今日買ったこの袋は300gで560円だった。前回もこれと同じのを買って、およそひと月で使い切った。

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伊吹島産は鮮度がよく、加工施設も整っているので、酸化防止剤は使わないというきまりだそうだ。このいりこを使ってみればその違いが解る。

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いりこの原料はカタクチイワシで、イワシは生魚においても腐りやすいが、鮮度よいそれを加工しても、時間が経つと酸化して黄変してくる。だから全国に流通しているいりこの多くは「酸化防止剤」を使っている。

いりこは鰹節に比べて安くて便利だが、古いものは生臭い。生臭くなるから頭とワタをとって使おうとするが、それでは本当にいいだしは出ない(頭とワタの部分にもだし成分があるのだから)。

関東に住んでいたときもいりこ(関東では「煮干し」と呼ぶ)は使ってはいたが、ここ一発というときはどうしても鰹節を使いたくなってしまう(私は生臭いのが苦手なのだ)。

鰹節はそのつど削るので、酸化から逃れることができる。だから1本買えば長期間、品質を損なうことがない。それがまた鰹節のすばらしいところなのだ。

今日買った袋のラベルをあらためて観察すると、賞味期限が2月以内と短いのが解る。別のスーパーでは同じ袋が100円値引きで売っていたが、明らかに黄変しているものだった。これは安くても買わない方がいい。鮮度のいい酸化防止剤不使用のいりこを、ひと月程度で使い切るのがベストだろう。

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さて、わが家の味噌汁だしの取り方を紹介する。

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まず頭を取って身を半分に割る。

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それを昆布とともに鍋に入れる。取った頭は捨てないで鍋の中へ。ワタも取らない。

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身を割るのは早くだしが出てもらいたいから。味噌汁2人前で使ういりこは8匹(一人前4匹分。このとき使っていたのは「無選別」という袋だった。中羽なら一人前3匹でいいかも)。とにかくケチらないことが肝要だ。

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水から中~弱火で煮ていき、沸騰したら中火でゆっくり煮てアクを取る(伊吹島のイリコは生臭みが少ないので「コトコト弱火」でなくてよい。そのほうが濃い出汁がとれる)。約10分で漉す。出しガラは取り出して捨てる(食べてもいいが、出しガラだからたいして美味しくはない)。

水に長い時間浸けておくだけでもいいだしが取れるけど、だいたい料理は発作的に作ることが多いもんで(笑)。

いりこ出汁の味噌汁は、サトイモやニンジンなど根菜を煮て白味噌を合わせたものが非常に美味しい。いりこは塩分を含んでいるので、甘い白味噌が合うのかもしれない。

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味噌汁はいりこ、煮物は鰹節、と分けて使うと鰹節の節約にもなって具合が良いし、鰹節は削るのが面倒なときにいりこはサッと使えるという利点もある。

サッと使えるという意味では乾麺の「半田そうめん」との組み合わせは最強である。

▼食品添加物事典BHA/BHT
http://tenka99.com/kiken/2010/04/-bhabht5.html


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