さて餅つき当日。早朝にもち米は洗って水に浸けておいた。納屋からテーブルやカマド、石臼などを取り出してセッティング。
石臼はとくに冷えているのでお湯をはって十分温めておく必要がある。それでカマドには火を絶やさず常にお湯が沸いているようにする。石臼の台座は未だ作れず、いつものように井桁に角材を重ねて持ち上げるという簡易な台座で。
バールで少しずつ持ち上げながら角材を増やしていき、インパクトドライバーで斜め打ちして角材を固定するのだが、しかしこの石臼は穀物搗き用のもので重量がかなり重く、台座を作ったとしてもそこまで持ち上げるのは2人では無理のような気がする。
スタッフ到着して、今日の段取りを説明し、蒸し器に着火。蒸し器の1段には2升の米がぴったり入る。一番早く蒸せるのが下の段。下の段が臼の中に入ったら、次の仕込みの米を入れてそれを上の段に重ね、蒸し続ける。蒸しが足りなくてもダメだが、蒸しすぎてべちゃべちゃになってもダメ。もちろん、次のもち米が蒸されるまでの間に、前の餅つきが完了していなければならない。つまり、蒸しと餅つきの間には時間的なバランスシートが必要になってくるのだ。
さて、いよいよ餅つき開始。その前に杵にも十分水を吸わせて温めておくこと。
餅つきで何より重要なのは搗く前の練りなんだが、そこは写真をとる余裕ないので搗いているところから。
杵は自分で作ったものなので、バランスは最高である。
>杵を作る
誤算だったのはスタッフが手返しが全然できないことが判明(笑)。結局、私が杵を離して手返ししたり、端を狙って満遍なく搗いたり、なんとかごまかしごまかし仕上げたのだったw。
しかし丸餅づくりはスタッフの独壇場だった。関東では丸める習慣はないので。
お供えと白餅が終わったらあん餅に突入。でも次のもち米が蒸されているので急がねばならない。
落花生は畑でできた生のものを甘皮ごと使う。それをもち米の上に乗せて一緒に蒸すのだ。この段ではGomyoの赤米を4割ほどまぜた。
こうして落花生ごと搗いてしまうのだが、落花生は杵と臼の間をすり抜けて潰されることなく原型を保つものが多く出てくるのである。
完成。ナマコ形と、のし餅と両方作ってみた。
最後はエビ餅。今年は駿河湾の桜エビが大不漁だったので台湾産を使用。ちょっとエビの量が少なかったかも?
こうして3臼の餅つきはなんとか成功し、片付けも一段落して白味噌の豚汁に餅を落として〆る。
しかし、困難な餅つきだったが、無理してでもやって良かったと思った。もち米を送ってくれたBさんに感謝しなければいけない。なにより米の素性が安心だし、杵つきは断然ウマイ!