屋久島・番外編/旅の自炊めし考


以前、軽バンで旅していたときはそれほど頻繁に自炊できなかったが、今回はスバルXVの容量とパワーを信頼して炊事道具を本格的に積んでいった。これが大正解でひとつの旅めしスタイルが確立できたように思う。

今回の旅では4カ所のキャンプ場を利用し、都合5泊した(番屋峯キャンプ場だけ2泊)。ご飯は生米を持参し、土鍋(いつも家で使っている「かまどさん」)で炊いた。この土鍋は重いのが難点だが、時間を守れば確実にうまいご飯が炊けるし吹きこぼれがないので楽だ。ステンレスの3層鍋も、ふだん家で使っているものを持ってきた。

そしてぬか床。ぬか床はかきまぜないで置けるのは冷蔵庫でもせいぜい1週間、長旅のときは冷凍庫に入れるらしいが、車に積んでおけば毎日かき混ぜられるし、現地の野菜も食べれる。おまけに、屋久島の空気から菌をキャッチしたのか、旅に出てがぜん香りが良くなったのだ(笑)。

イワタニのカセットコンロも重い土鍋や中華鍋を振るのに便利で、キャンプ用のコンロはスペアとして使った。

食材に関しては、私は米だけでなく豆を導入することが重要と考えていて、こうすると山旅でもバテない。栄養学的には穀類と豆を合わせることでタンパク価が高まる。おかげで魚や肉に対する欲求がそれほど生まれず、食物繊維やミネラルなども摂れる。豆一晩戻さずに炊ける小豆と黒豆が便利で、豆ご飯の際はもち米を半分混ぜて炊くと口当たりがいい。

旅のうち数回でもいいから豆ご飯を炊く。これと味噌汁をベースにすることで、地元食材や外食はクオリティの高いものを選ぶ余裕が生まれる。

黒豆は弱火でじっくり炒ると皮が破れて白いはちまきができる。これをそのまま米とともに炊くと紫色の豆ご飯ができる。これは島根県の郷土料理で「おけじゃ飯」という(おけじゃとははちまきのこと)。

完成した黒豆ご飯。屋久島・番屋峯キャンプ場にて。

市販のベーコンは添加物の非常に多いものなので、自家製(2/25に燻し仕上げしたものを3当分して冷凍しておいたもの)を凍ったままクーラーに入れて持ってきた。

卵やトマトは現地で買うが、味噌、塩、醤油、酢、スパイスなどは家でいつも使っている本物調味料を小分けして持参。

屋久島は水がいいので、家にいるより美味しいご飯と汁が食べれてしまうのだった(笑)。

いちおう釣竿を持参し、ちょっとだけ竿を出したのだが、残念ながら釣果なし。が、屋久島最終キャンプ日のときグレ(メジナ)を頂いたので、キャンプ場の水場でウロコを取って解体。

焚き火で熾炭をたっぷり作り、それをかき集めて網焼きする。

あら汁にはタマネギと島豆腐(永田の豆腐)を合わせた。

屋久島にはサバ節がある。それを料理バサミで切りながら、海藻などと煮ると簡単で美味しい味噌汁ができるだろう。今回はサバ節は酒の肴に食べてしまい、味噌汁は貝を採ってそれを出汁にした。一湊のキャンプ場はけっこうなものが採れる。ヨメサラやカメノテなど。ただし干潮時を狙わないといけない。

そして島の柑橘、タンカンが安くて美味しかった。現地の柑橘は必ずキャンプめしに組み込むべきである。

屋久島では1日だけ、安房の「かもがわレストラン」で外食した。刺し盛りがすばらしかった。

そしてトビウオの唐揚げ定食。10年前とちっとも変わっていない安さと豪華さ。いいなぁ。

残念だったのは、黒豚カレーが作れなかったことだ。鹿児島の肉屋で黒豚を購入し本格カレーを作ろうと、スパイスを持参してきたのだが、ネットで仕事をせねばならずホテル泊が1日増え、枕崎ではカツオ料理の誘惑に抗しきれず外飲みしてしまった(´>‿<`)。

ホテルの風呂場でカセットコンロでカレー作っちゃおうか? と思ったが、それでは檀 一雄になってしまうではないか(笑)。

日頃のベースが良ければ外食もまた佳きかな・・・なのである。


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