yuiさんの親友Oさんが広島から訪ねてくる約束があったので、直売所で花を買って和室に活けた。もちろん屋久杉の仏壇の前にはいつも花を生けることを欠かさないのだけど、お客さんが来るときはこうして一階の和室にも豪奢に飾る。和室と床の間を作ってよかったと思う瞬間である。
到着してまず和室に案内し、彼女の書を見てもらった。ふたりで個展をしていたときyuiさんに杉ペン(自作)で和紙に書いてもらったものだが、不思議なことに、この床の間の雰囲気にぴたりと合っている。
次いで2階の仏壇へ。ひとしきり沈黙の後、yuiさんの思わぬ一面をOさんが語ってくれた。写真をさすりながら、嗚咽する彼女に「僕も亡くなって一年はどれほど泣いたかしれないよ」と言った。
本来ならyuiさんに語りたかった自分の内面を吐露した後、なにか吹っ切れたような素顔になり、大きな百合の花束を持って、彼女は墓に向かって行った。