竹で補修する


スギで彫ったサラダ用のスプーンの柄が折れてしまった。実はフォークのほうも矢印のところが折れそうでぐらぐらしていたのだ。竹ひごを使って補修することにした。

こんな感じに両側を尖らせた竹ひごを作る。

両側にドリルで穴を開け・・・

竹ひごを貫通させる。いちど仮組み。

ボンドは水濡れにも強いやつで。

木目を目印に前と同じ位置になるように。はみ出たボンドは竹ベラで取る。

フォークのほうは手で折った。

同じように。

乾くまではぐらつくのでしばらく放置。

「背負い子」の一番上の横棒の接合部が、この間の運搬作業でちょっと開いた。接着剤が効かなかったようだ。もう一度強力な接着剤をつけるとして、さらに接合部にドリルで穴をあけて、竹ひごを貫通させて「ピン止め」しようかと考えた。が、竹べらを見ているうちに、このヘラの先端をほぞ穴の隙間に差し込んで止めたらいいと閃いた。

上から打ち込むように差し込んでいき、出張った部分は付け根にナイフで切れ目を入れてから折る。

これは日本の伝統工法の貫(ぬき)の処理と同じである。貫もこの位置にクサビを打って締める。貫は地震時の揺れを吸収する役目を持っているが、背負い子も重量物を背負えば揺れるので、これが正解かもしれない。

ピンで貫通させるとそこに「割れ」の力がかかる恐れがあるからだ。L字金物などで固定してもやはり揺れがあればビスが内部で割れを誘う。なおクサビはほぞ穴の縦位置に打つべきで、横位置に打ってはいけない。同じく割れの力が加わるからである。

竹は小さなピンやクサビとして使うにも便利な素材である。昔は建築でも屋根に杉皮や檜皮などを葺くときに竹釘を使うことがあった。また、袖垣を作るときにも使われる。錆びないし、加工しやすく強度もあるからだ。

ピンやクサビを切ったばかりの青竹から作るときは、焙煎して水分を抜いたほうがよいだろう。

ところでこのスギでつくったサラダ用のスプーン&フォーク、過去記事を調べたら、作ったのはなんともう10年も前だ! さてさて、この背負い子はどれぐらい使えるかな?


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