万場のナタガマ


藤岡のIさんが太陽熱温水器を持って来てくれた。パーツがばらばらなので、設置場所を考えて組み立てたり配管をしなければならない。しかし、これができると灯油が大幅に節約できる。それに今の灯油釜が壊れたら薪焚き兼用の釜を購入する予定だ。外でチビカマでお茶を沸かしていたら風が寒くなってきたので囲炉裏に移動する。

Iさんが帰った後、囲炉裏でご飯を炊き、昨日藤岡「たむら」でお土産にいただいた塩サバを焼いた。囲炉裏で焼き物をするときは、まずおきている火に薪を多めにくべて熾炭をいっぱい作る。そこで薪を引いて炎を弱め、ゴトクに網をのせ熾炭の部分で焼くのである。

あぶらがのった塩サバは焼けてくると網からあぶらがしたたり、炭に落ちたそれが炎をたてるので、そこに灰をかけて炎をちらしながら焼いていく。最初は皮側から、次いで身の方を焼く。田村さんみずから包丁でおろして塩をしたものなのだろうか、身の切れ面に冴えがみえ、ラップの包み方も丁寧なものだった。味は絶品であった。このようなあぶらの多い魚を室内で焼くと換気扇を回しても2~3日は部屋が魚臭くなるものだが、囲炉裏ではまったく臭いが残らないのだった。

夕刻、前橋のHさんが遊びにきた。万場の鍛冶屋に注文しておいた刃物をとりに来た帰りらしい。この地方でよく使われるナタとカマを合わせたような山林作業用のもので、先端がカマのように曲がった薄めのナタである。軽くて使いやすそうだった。これで6,000円代というから安い。囲炉裏パンを焼いて食べてもらった。Hさんはこのナタガマで、アトリエ山林の作業を手伝ってくれるそうだ。

1/30の農文協編集部との打ち合わせで、単行本企画「山暮らし」の内容は林業技術書(道具の使い方、作業の手順など)の中に挿入する形でやってはどうか、という話がでた。そして『現代農業』の連載を継続するという方向も。Y氏といいHさんといい、町人が森の再生に本気になっている。前橋の刃物屋「大崎商店」のオヤジさんの顔も思い出された。ただの林業技術書でなく、それが山暮らしと結びつき、実生活につながっていくというスタンスがあるなら、その書は社会への問いかけを含む大きな起爆剤になるかもしれぬ。さて、重い腰をあげることにするか。

アトリエ敷地に福寿草開花。まだまだ寒いけど・・・嬉しいな。

middle_1139216012


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください