風呂要らずの夏囲炉裏/旧アトリエで「淡緑」を・・・


2泊3日で旧アトリエに戻り草刈りなどをしてきた。

群馬県の集落支援員制度の委員に選ばれたこともあり、6日は担当場所である神流町の役場にて、県と役場の担当者の打ち合わせ。調査や支援をする集落にご挨拶にいく。来年の3月まで、月に5日程度のペースで神流町の山村へ通うことになる。ここは旧アトリエから目と鼻の先である。

その足で旧アトリエへ。

畑も敷地もすごい雑草に覆われている。さすがにこの季節に1カ月も空けると大変なことになってしまう。イタルさんに天気の様子を聞くとこのところまったく晴れ間がなくずっと雨振りだったという。こんな年は雑草の伸びがかえって良いのだ。とくにカナムグラやアレチウリなどのつる植物の繁茂がはんぱじゃない。一息つくひまもなくさっそく草刈りだ。

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明日なき森


桐生の里山に暮らし始めて、夜に飛来する虫が異常に少ないことを書いた。これは農薬・除草剤・室内外殺虫剤が下手人であるとにらんでいた。が、旧アトリエでも虫が少ないことが判明した。

実は前回の6/29でもは感じていたが、まだアトリエ滞在中の晩春はけっこう虫たちが灯火に来始めていたから、桐生が異常なのだと思っていたのだ。ところが、今回の夜、灯火にやってきた虫たちはごくわずかだった。5年間暮らしてこんなことは一度もなかった。ネットで検索してみると、全国的に、虫の少なさのに異常を訴える人たちがいるようだ。

みなさんの地域はいかがですか? ぜひ書き込みなどで教えてください。

さて、今回出がけに桐生図書館で重要な本を借りて持ってきていた。後藤伸さんの講演録『明日なき森』(新評論 2008)である。後藤さんは教員生活をしながら紀伊半島を徹底的にフィールドワークし、その特異な生態系の解明に尽力された人である。惜しくも2003年に73歳で他界された。

暖帯寒帯の両種が混在する不思議な熊野の森を書いたその文を、私はどこかの図書館で読んでいて、その魅力的な森の深みに引き込まれた記憶がある。著者名が思い出せないまま、ずっと時間が過ぎてしまっていた。本書の巻末「著作・報告書一覧」からすると、1993年の『日本の自然 原生林紀行』(共著/山と溪谷社)だったのかもしれない。

それが、私の本の読者からメールをいただいて、この本を発見したのだ。これまで後藤さんの名を得ることができなかったのは、単著が『虫たちの熊野』(2000年)という本のみで、これが紀伊民報社という地方の出版社であるため、図書館に入りにくかったからだろう。そして後藤さんが他界された後「熊野の森ネットワークいちいがしの会」の有志の手によって、昨年の10月に、本書が刊行されたのである。

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