風呂要らずの夏囲炉裏/旧アトリエで「淡緑」を・・・


2泊3日で旧アトリエに戻り草刈りなどをしてきた。

群馬県の集落支援員制度の委員に選ばれたこともあり、6日は担当場所である神流町の役場にて、県と役場の担当者の打ち合わせ。調査や支援をする集落にご挨拶にいく。来年の3月まで、月に5日程度のペースで神流町の山村へ通うことになる。ここは旧アトリエから目と鼻の先である。

その足で旧アトリエへ。

畑も敷地もすごい雑草に覆われている。さすがにこの季節に1カ月も空けると大変なことになってしまう。イタルさんに天気の様子を聞くとこのところまったく晴れ間がなくずっと雨振りだったという。こんな年は雑草の伸びがかえって良いのだ。とくにカナムグラやアレチウリなどのつる植物の繁茂がはんぱじゃない。一息つくひまもなくさっそく草刈りだ。

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家の中もかなり湿気っている。しかしこの天気では窓を開け放してもかえって湿気るばかりだろう。風呂釜を外してしまったので汗でびっしょりというのに風呂にも入れない。しかし山水で体をぬぐい、囲炉裏にあたっていると体がさらさらに乾く。

2方の窓を開け放し、そこに網戸をおいて風が流れるようにして囲炉裏を焚くと、体の前面だけがほんわかと温かく、背中や横からは外からの涼しい風(まるで冷房装置のような!)がゆるりと体をなぶっていく。炎が空気の流れを作って外からいい風を引き込むのだ。

そして体からは汗の不快な臭いは全くなくなる。これなら風呂に入る必要もないじゃないか。汗をかいた衣類は外の流しでじゃばじゃばと洗い、しぼって室内に干しておき、仕上げに囲炉裏端で乾かす。

夏の囲炉裏はこのように非常に便利なものであり、湿気がひどい場所では家を内側から乾かし、長もちさせる必須の装置でもあるのだ。

もちろん、ひさびさの囲炉裏端での談笑という余録もつくのであった。どうよ、この嬉しそうな顔。

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翌日はお客様が2組。

夜になって藤岡のiさん到着。iさんは私よりもずっと年若なのだが群馬ではちょっと有名なブロガーなのである。彼のブログ「Bandit’s rain」は私たちも昔からファンであり、ここから群馬の美味処情報をどれほど仕入れたか知れない。

蛇足ながら、彼のハンドルネーム「sanzokuame」は群馬の観望天気的ことわざ「御荷鉾(みかぼ)の三束雨(さんぞくあめ)」から来ている(と思われる)。三束とは、農作業中に御荷鉾山から雷雲が湧いたら麦束を三束たばねるうちに雨が来る(それほど雨脚が早いので注意しろよ)とのことわざで、ブログタイトルのBandit’sは山賊の意だが三束とひっかけているのだ。

というわけで囲炉裏でローストビーフなどを作ってお迎えしてみた。

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ピチットで〆た後、庭の月桂樹の葉ととにも塩コショウした肉塊を燠炭を使って鍋で蒸し焼きにする。下写真はステンレスの針金を刺して中の温度を調べているところ。このまま数秒待ち、抜いた先を唇に当てて温度をみて、中の生焼け具合を確かめます。

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お醤油ベースでワサビの茎を刻んだソースをかけます。付け合わせはここの畑でとれたジャガイモと桐生の畑でできたキュウリ。味噌と松田のとうにゅうず(豆乳マヨネーズ)。

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宴もたけなわの頃、iさんは持参したクーラーボックスからなにやら大事そうに日本酒を取り出した。太田「島岡酒造」の「群馬泉/淡緑(うすみどり)」。これは県内流通限定の山廃吟醸酒だそうだ。

美味い・・・。なんというきらびやかな、それでいて冴えた味わいなのだろうか。私がとっさに浮かんだのは、東北山の極上の山菜でこの酒を飲んでみたいな、という想いであった。

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というわけで深夜まで飲んだにもかかわらず、私たちはいつものように定時に起き出して、iさんに木材の積み出しまで手伝わせてしまったのでした(汗)。

おまけ。作業中、飛んで来て背中に止まっていたルリボシカミキリ。

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おまけのおまけ。sanzokuameさんによる解説、島岡酒造の「淡緑」


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